「三壷聞書」に
飛騨国阿古白川と云在所三百余軒の所、地震にて高山崩落、男女数百人一人も不残荒山となりぬ、此時帰雲山の城郭大地震にて大山頽落ち圧埋め、内ヶ島氏理一族主従、男女、僕婢、城下の人馬に至るまで不残圧死して内ケ島断絶せり。
とみえている。
この大地震は中部、北陸、近畿にまたがるもので、白川郷は特に被害が大きく、それは大阪にまでくわしく伝えられている。
また前掲「三壼聞書」は加賀、能登、越中三ケ国の地震を記録した金沢前田家所蔵本であるが、これに飛騨帰雲城埋没事件を特筆していることもいかに衝撃が大きかったかを物語っている。