浜名湖
浜名ハ郡名也、国号遠江も此湖水に基づくなり、一名猪鼻湖、または遠湖ともいふ、(中略)また近きとし、蝶夢幻同弥が『遠津湖ノ記』に、「(中略)おほよそ湖の広さ北に入事五里にあまり、東西四里にすぐ、南はひたぶるの大海也、山々三方にならび立り」と云々、(中略)『振裾記』に、「むかしは此国浜名の水うみありしが、後土御門院明応八年六月十日、洪水の変ありて、水うみとしほ海とのあひだきれて潮入て、水うみはなくなるゆゑに、今切といふなり。浜名の橋は水うみよりおへる川にか〃りしゆゑ、今はなし。」
(中略)
今切
御土御門院御宇明応八年六月十日、大地震して、湖と湖とのあいだきれて、海とひとつに成て、入海となる、これを今切といふ。