地震史料集テキストデータベース

[未校訂]乍恐以口上書を奉願上候
一越ケ谷領之内袋山村荒川通水除堤、去年霜月廿三日之地震ニ而堤破損仕候ニ付、先達而当春御普請奉願上候所ニ、右御書上ケ仕候内弐百三拾四間堤もミ込、殊ニ堤内上中留ともニ堤外堀柳原江土もミ出シ申候ニ付、右之もミ出シ候土を以堤上置根腹付ケ共ニ被為遊被下候様ニ奉願上候、右之御普請場堤岸ニ諸々〓堀筋并ニ柳原一通御座候所へ土もミ出し置申候得ハ、同村左二右衛門組下百姓一両人ニ而右之土為取申間敷候と申殊ニ堤内上中留土為取申度候と申候ニ付、百姓共難儀ニ奉存候、堤内之土を以御普請被遊被下候ハゝ、満水之時分ハ堤よりてニも罷成可申候かと乍恐奉存候、与角右之場所御見分之上何分ニ成共御普請出来仕候様ニ奉願上候、若御普請御延引ニ罷成候ヘハ少々之出水も百姓居立而無御座候ニ付、何ともめいわくニ奉存候間、御慈悲ニ御見分之上御普請被為仰付被下候ハゝ難有奉存候、以上
越ケ谷領
元禄十七年申ノ二月
三左衛門印
仕左衛門印
吉兵衛印
権右衛門印
御支配様　　　　　　　　　　　　　　　四郎兵衛印
半　兵　衛印
新右衛門印
権　兵　衛印
源左衛門印
治左衛門印
左右衛門印
市郎兵衛印
伝左衛門印
名主　金　兵　衛印