地震史料集テキストデータベース
[未校訂]元禄十六年十一月廿三日、昨夜丑刻大地震、御城中所々石垣、御櫓御多門等崩破、其外江戸中大小名之家作、並町屋民家転倒夥敷也、其上相州小田原、城中城外人家潰、失火燃出、人多損亡、安房上総潮漲、海民悉漂流、死亡者不可勝計、慶安二巳丑年武州大地震有之以後者、今度初テ也、
廿五日、
今度地震ニ付而、紀伊殿御守殿御破損ニ付、鶴姫様当分西丸大奥江御移被成候ニ付、御側衆青山伊賀守大久保長門守、御留守居役松平主計頭相詰、今日午後刻被為入、御先江加藤越中守、且又西丸江御留守居近藤備中守、御留守居番遠藤権左衛門一人、御広敷之頭一人、御留守居番、御目付、御広敷番頭一人ヅゝ、替々昼夜共相詰、御広敷添番、御徒目付、奥火之番、御小人目付等、相応ニ人数定之、何モ昼夜共ニ相勤候様、加藤越中守昨日申渡シ、
一御使番松田善右衛門、右同断ニ付、日光江急御使被仰付、時服ニ被下之、
一佐野与八郎、右同断ニ付、火付改被仰付之、
一火之元儀、弥入念候様ニト上意之趣、有合之面々ヘ、老中若年寄列坐、申渡之、
一此度地震ニ付而、自分罷在候家、潰候面々ハ、類火ニテ休候日数半分、休可申候、本多伯耆守申渡之、
一今度地震ニ而、破壊之所々、修複之儀、惣奉行阿部豊後守、秋元但馬守、並右御用掛井上大和守、稲垣対馬守被仰付之、
一右同断ニ付、所々御破損奉行
御作事奉行
松平伝兵衛
大島伊勢守
御普請奉行
甲斐荘喜右衛門
水野権十郎
小普請奉行
布施長門守
小普請方
遠山善次郎
永田半介
竹田藤右衛門
竹村権左衛門
右者御城廻御修複御用被仰付〓、小笠原佐渡守申渡之
小普諸奉行
間宮所左衛門
小普請方
福王市左衛門
坂部惣左衛門
伊藤新右衛門
右は御宮御仏殿御修復御用被仰付〓、老中申渡之、日光〓飛脚、去廿二日夜地震、御宮御堂、御別条無之候由、駿府〓飛脚、冂又地震久能御宮御城内外、替儀無之ニ付、
廿七日、
今度大地震為大変之儀間、於諸神社、天下之御祈祷可申付之〓、被仰出条、可致修行由申渡、
所々如左
太神宮、 山田奉行ヘ奉書
京都二十一社、此外大社大寺、 所司代ヘ奉書
山王、神田明神、鶴岡八幡、箱根権現、伊豆権現、二島大明神、鹿島大明神、香取明神、富士、此外大社大寺
右ハ寺社奉行ヘ達、
廿八日、
在所ヘ御暇 大久保隠岐守
右者居城小田原地震火事大破、其上関所も有之に付、御暇、御城廻石垣御普請御手伝被仰付候面々、於御白書院、
西丸下桜田半蔵御門迄 松平大膳太夫
大手下 乗橋中ノ御門御玄関前 藤堂大学頭
和田倉馬場先内桜田日比谷御前立花飛弾守
上梅林坂下平川口北刎橋 丹羽五郎三郎
数寄屋橋鍜冶橋呉服橋御門 稲葉能登守
一ツ橋雉子橋 加藤遠江守
常盤橋神田橋 戸沢上総介
右之通、御手伝被仰付〓、小笠原佐渡守申渡之
廿九日、
地震ニ付、御城廻御修復御手伝被仰付、依之両御番より仮役御普請奉行被仰付面々、
御小姓組伊沢吉兵衛組
仁賀保内記
御小姓組秋田淡路守組
服部久右衛門
松平石見守組
桑山源七郎
御書院酒井壱岐守組
大園市十郎
御小姓松平源蔵組
渡辺内記
同 永井備前守組
土屋長三郎
同 小田切土佐守組
大橋与惣右衛門
御書院板倉筑後守組
松平伝左衛門
同 同人組
岡田新八郎
御書院三枝摂津守組
朝倉外記
御小姓北条右近太夫組
成瀬吉右衛門
同
根来平左衛門
御書院松平式部少輔組
水野甚五左衛門
松平近江守組
此一人欠 大久保甚右衛門
右之通被仰付之、御手伝大名一人〓奉行二人宛