御状令披見候、去比爰許地震候得共、御城廻別条無之、且亦日光山甚雖地震候、御宮御仏殿御安全之趣被承之候、依之被差越使者候、入念候通各申談可及言上候、恐恐謹言
阿部豊後守
六月四日 ○天和三年 正武(花押)
松平土佐守殿
注、本史料「御手許文書」は高知県立図書館所蔵の『山内家史料』稿本により翻刻した。『山内家史料』は明治四十四年(一九一一)から三十年余間にわたり山内家家史編纂所で編集された編年史料集である。本地震に関して『山内家史料』綱文では、「五月廿三日、日光地震フ、廿四日江戸亦地震フ、由リテ廿八日書ヲ以テ将軍ノ起居ヲ候ス、九月朔日亦同ジ」とある。