地震史料集テキストデータベース

[未校訂]慶安三年六月廿日、寅刻大地震、御城櫓多門塀、並諸大名ノ家屋町屋等迄、破損多シ、其後毎日少宛四五十度宛地震ス、
○本書、三年ニ掲グルハ誤レリ、 〔人見私記〕
六月廿二日、去比地震ニ付、日光所々石垣石ノ井垣等破損、為見分重次○阿部対馬守日光エ被遣、
廿九日、日光石垣破損修復、有馬中務大輔エ被仰付、於御黒書院、忠勝及老中申渡ス、且午下刻、忠勝及老中等被召出、御用談被遊、
七月朔日、日光石垣修復奉行ニ、阿部四郎五郎被仰付、
三日、地震ニ付、増上寺、破損奉行両入被仰付、且比々谷門、同断被仰付、
十三日、今度地震ニ付、御城廻所々石垣破損、上杉喜平次被仰付旨、彼家老トモヲ小十人番所西ノ間エ呼出シ、老中申渡シ、右奉行真田長衛門、柘植右衛門、荒尾平八郎被仰付、朝比奈源大、荘田小左衛門両人ハ、御普請奉行ノ間、万事可相談旨、是又申渡、
十四日、去地震ニ付、日光石垣破損修復、有馬中務大輔ニ依被仰付、為見分中務罷越帰参ニ付、登城謁老中、
九月十三日、日先奥院、明十四日普請始ニ付、山中惣出家、並有馬中務大輔家来トモマデ、酒呑セ可申旨被仰出ニ付、内田信濃守正信ヨリ重次マデ、以飛脚樽肴被遣、
十一月十七日、有馬中務大輔日光婦リ御目見、忠清披露、御前近ク召テ、日光奥院石垣普請被仰付処、早速出来、御キゲンノ旨上意也、 〔慶安日記増補〕
六月、廿一日、
豊後守方ヘ諸大名ノ聞番呼寄、被申渡ハ、大地震以後ハ、度々地震有物ノ由也、以後夜中ノ地震ニハ、夜明ケ、疾ト静リテ、御機嫌伺可登城、昼ノ地震ニモ、勿論静ニ可被登城ト也、
廿二日、日光山ヘ地震見分ニ、阿部対馬守被遣、
廿七日、夜ニ入、対馬守日光ヨリ帰府、御宮其外破損少ニテ、御山安全ノ由也、
七月十七日、先年酒井讃岐守被仰付被仰付、御城中仕切石垣麼合ニ仕処ニ、今度地震ニ崩レ候間、野面石垣ニ仕直ス様ニ被仰付、
廿四日、紅葉山破損奉行、被仰付宮崎備前守、筒井内蔵、下奉行成田左太夫、山本市兵衛、杉浦文右衛門、坂本五左衛門、人足ハ破損役人ヨリ出之由、
去廿一日、日光破損奉行被仰付、
安部四郎右衛門、　　石河三右衛門、
八月四日、酒井讃岐守被仰付候石垣普請出来、 〔寛明日記〕
七月八日、伊達遠江守、以使者酒井讃岐守、松平伊豆守、阿部対馬守方ヘ申シテ曰、某病気未得小快、永々登城不仕、迷惑奉存候、将又去比ノ大地震ニ、御城廻リ石垣少々破損仕日承及候、冥加ノ為メ何ノ所成トモ、修覆仕度候、被仰付被下候様ニ奉願ノ由也、 〔人見私記〕
八月廿四日、松平長門守石垣普請望ミ申ニ付、内桜田門、虎門口、当年中可築直ノ旨、上意ノ趣、老中彼カ家来児玉淡路ヲ殿中エ呼出シ申渡ス、席小十人番所西ノ間也、 〔慶安日記増補〕
八月廿四日、松平長門守、水野出羽守、今度破損石垣普請被仰付、長門守普請場ハ、内桜田御門台也、 〔人見私記〕
慶安三年三月廿六日、日光山相輪塔建直ニ付、致見分、彼地ニ有之大工様子可申付旨、被仰出候故、木原木工亮被遣、 〔日光山志〕
相輪〓、御宮御築地外の山腹にて、新宮馬場の方にあり、是は古伝教大師の銘文を模写して、建立し給ふ、始は奥院の山へ寛永廿年七月建玉ひしが、其後慶安三年、今の地へ御建直しになれりといふ○下略