[未校訂]同二年乙卯十月二日陰北風吹寒冷
夜四ッ時大震昨寅年よりも甚しく近年に覚無き震也
江戸中尤甚し時に則瓊在府にて橋本町四丁目津久井屋新三郎方に旅宿なりしが其辺ハ至て震弱く壁なども不落失
火も無し故に其辺の人々鹿島大宮司様被為入候故如斯なりとて甚神威を賞しけると也
鹿島にてハ斎垣内
右ノ方石燈籠弐棊倒レ樓門西面大額此方□ニ而水戸領ゟ奉納
釣り糸
切れ又御饌殿前鉄の用心水の器乃水溢れたり燈火ゆり消
ゆるほとにてハ無し則文ハ禁中御祈玉串水戸へ進献に罷出物語北浦の船中にて格別の事なしと云
予
ハ直に神宮へ参上諸事指揮致ス神宮ニ而ハ判官岡見信成大長□衛真興只二人のミ見舞参上
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