地震史料集テキストデータベース

[未校訂]（乍恐以書付奉願上候）13A
乍恐以書付奉願上候
安倍郡小瀬戸村組頭八郎兵衛同伝右衛門奉申上候先般格
別之御悲悲ヲ以去寅十一月地震難渋之小前江御救御貸附
金御下渡被下置候ニ付当村之義者九組ニ付組々役人共相招
割相いたし請取帳壱冊相認連印いたし候処九郎右衛門組
之義者右帳面江印形相拒隅書請取書ヲ致し度旨申聞候間今
般御貸附金之義者格別之御義ニ付村中一同連印請取無之
候而者不相済旨申候得共如何之訳柄ニ候哉右帳面印形相拒
御金請取不申小前百姓共義者当方ニも差支候趣承知仕候得
共九郎左衛門彼是不服申居候段一圓不相分候ニ付無拠奉
申上候何卒同人御召出御糺之上弥右御金請取方不相成候
ハヽ返納仕候共又者拝借仕候共被仰聞度此段乍恐以書付
奉願上候以上
夘六月
小瀬戸村組頭八郎右衛門代兼組頭見習幸八印
組頭伝右衛門印
紺屋町御役所
（安政二年夘五月大地震ニ付御拝借金貸付帳八郎兵衛組）14A
覚
一金四両三分ト
銭百廿文
内
一金壱分弐朱　市右衛門　印
一同　弥十郎　印
一同　平十郎　印
一同　治兵衛　印
一同　金右衛門　印
一同　佐二兵衛　印
一同　八郎右衛門印
一同　権助　印
一同　清兵衛　印
一同　左郎左衛門印
一同　半二郎　印
一同　伝右衛門　印
一金壱分ト銭百廿文　八郎兵衛　印
右者去寅十一月四日ゟ数日大地震ニ而村方潰家其外小破
□難渋之廉当御役所大草太郎左衛門様江御届奉申上
候処此度御下知済相成当村中ヘ金廿（カ）六両壱分弐朱ト銭百
廿四文夫食御救として御拝借被仰付右之内金壱分弐朱
ツヽ私共江御拝借被成下難有仕合奉存候然上者右金子返
納之義者当卯年ゟ五ヶ年賦ニ而御触日限通聊無相違急度御
上納可仕候為後日一札連印仕取極申処仍而如件
安政二年
夘九月
□□□小瀬戸村
（注、前記13人の名前・印形と幸八名・印形省略）