[未校訂]地震・火災による災害
宝暦元未年の大地震は上越一円に被害を
出している。郷土にもその被害が書き残
されている。
四月二十七日に出された「乍恐以書付御注進申上候」
(大島 村松二郎家蔵)には、苗代籾四石五斗を蒔きつ
けた苗代田が、四月二十五日夜の前代未聞の大地震で山
崩れの下になって当惑を訴えている。村としては、早速、
余り苗を才覚したが、植付け田全体に配れるだけの量は
覚束なく、田畑そのものの損害も大きく、山林に至るま
で崩れ落ち亀裂が生じている。今後、雨降り洪水となれ
ばどのような山崩れが起こるか計り知れないと書き、家
屋敷にも土砂が崩れ落ちていると注進している。
この時の苗代種籾の損害は、種子籾御拝借で凌ぐこと
ができたが、その後、宝暦二申年より巳の年迄十年賦で
返納している。
○新潟県中頸城郡柿﨑町町史編さん委員会編H16・3・30 柿﨑町発行