[未校訂](3、日本の塔の組上げ構法)
建保二年(一二一四)に仏舎利が安置された海住山寺五
重塔は、約四六〇年を経た寛文十一~二(一六七一~二)
に四重・五重を解体して二重・三重を持ち上げ、初重は
解体して基礎[地形|じぎょう]を築き直す大修理が行われた。同塔は
寛文修理の数年前から地震・大風によって被害を受け、
大規模な修理に至ったのであるが、基礎地形までやり直
したのは地震によって地盤に亀裂を生じたためと考えら
れる。初重には[足固貫|あしがためぬき]・腰貫が補加され、耐震性が強
化された。