地震史料集テキストデータベース
[未校訂]以書付奉申上候
御知行所上州吾妻郡岩井村役人共奉申上候先般異船渡来并
去夘十月中地震両廉御用金惣御知行所ニ而金百五拾両余之
割先達而中惣代之者出府御請申上候処村方小前之儀は五組
ニ御座候而右之内字松木田中西三組小前当八月中大風雨ニ
而田畑取入格外之相違仕候并諸穀色相場下落之上連々不融
通必至と難渋之趣ニ而前書御請金割来巳年ゟ三ヶ年ニ上納
仕度候段歎願仕候且又新規御建継御普請御用金惣御知行所
ニ而金百両余高百石ニ付金三両ツゝ被仰出候分前書三組之
小前弐拾五人共此高凢弐百石程此上金六両計追而世柄
（カ）宜敷折節は連れニも可仕候得共此節上金御請難渋ニ奉存候
旨是又申立候右之外相残候小前私共ニ至迄聊難渋不申上候
以上
右村
百姓
代
吉郎右衛門
組頭
与左衛門
〃
由兵衛
〃
権左衛門
安政三辰年十一月 〃八左衛門
〃
喜左衛門
年寄
七郎兵衛
〃
長八
〃
両之助
〃
弥左衛門
釼持彦左衛門
名主
伊能平次右衛門
御役場様
差出申一札之事
一此度当御地頭所様ゟ去ル寅年異国船渡来并地震災ニ
付御用金三拾三両当辰より巳年迄弐ヶ年之内上納可致旨
被仰付此段一同承知仕御請致候所相違無御座候猶又外ニ
御殿向御普請為御用金百両也是又拾ヶ村一同江被仰付私共
江も被申渡当村五組之内山根組原組両組は承知仕候西組
田中組松野木組三ケ組之儀は秋作取入殊之外違ひニ
付誠以難渋仕罷在右ニ付其段御当役平治右衛門殿江
出来兼次第申入候処当所五組一同ニ不相成候而は不行届
ニ相当り候間外組同様御請可申旨御申渡御座候得共前書
次第故御請難相成旨御答申候所猶又平治右衛門殿申候は当村
ニ而は七ヶ村為惣代 御屋敷様迄被 召出御請印も致し
候訳柄故御役場江対し一同之御請ニ無之候而は難相成右
三組難渋ニ候ハヽ我等方ニ而立替可申由依之私共三組之
者内談仕候処右御当役御立替被下候而は往々之所後役見
立差障りニも相成何共御請之儀相成兼候哉と一同愚案仕
旁以難渋之次第ニ付無余儀今般三組ニ而江戸
御屋鋪様江歎訴申上可然与存既高崎宿迄罷越候処下野条
村御役人并高崎宿町役人中御差留猶又追々近村御役人中
御出向被成右様大勢申為合罷越候而は御門訴ニ相当り容
易不成儀之旨御異見被下候ニ付任其意隣村植栗村御名主
利右衛門殿方迄立帰り猶又近村御役人中早速御出張被成
種々御教諭ニ付今更発（ママ）明先非後悔仕候間何卒当所御役人
中は不申及御立会被下候近村御役人中ゟも右御普請金御
請之所何分此節難渋ニ付猶予被成下追而世柄宜敷砌外村
同様御請可申上候間御役場向御執成之程偏ニ頼入存候右
之段三組一同一札差出申処仍而如件
三組
三右衛門印
（注、以下人名四十名省略）
植栗村
取扱人名主
利右衛門印
同年寄
惣兵衛印
同 同断
甚右衛門印
安政三辰年 伊勢町
同年寄
十一月 加右衛門印
組頭
源八印
金井村
同年寄
惣右衛門印
御名主
平治右衛門殿
御役人中
（表紙）
「 安政三辰年十一月
御用金割合帳
未進之計り
同四年巳三月割ヲ以
同七月十八日取立申候
但し利足付申候
岩井村名主
伊能平次右衛門 」
御用金割
拾ヶ村ニ而五十両之わり
一金拾壱両ト三百七拾弐文
為鐚七拾壱貫八百七拾弐文
六貫五百文（ママ）目請
鐚六拾九貫文
此割高七百五拾弐石八斗八升四合
高壱石ニ付
鐚九拾壱文六分四リン六
目安六ヶ敷ニ付
鐚九拾弐文ヲ掛
惣高ニ而銭弐百七拾三文
取立過此分冬割ニ而引へし
右は異国船渡来去夘年十月地震両廉ニ而被仰付百五拾両拾ヶ村
ニ而御請申上候分之内当辰之冬納之処如此
西田中松木三組之内
（朱書）ヽ印分辰冬取立申候
一弐百弐拾文 三右衛門
一七拾四文 惣助
此利十五文
一九拾五文 孫兵衛
此り十九文
一拾五文 市之助
一弐百拾壱文 喜伝次
此利四十三文
一九拾五文 利右衛門
一弐百五拾九文 弥治右衛門
一百七拾四文 弥太夫
ヽ（朱点）一百（ママ）長五拾文 由兵衛
一六百七拾四文 太兵衛
一四拾六文 由右衛門
一百三拾八文 伝重郎
一百廿七文 利兵衛
一六拾九文 三郎兵衛
一四百六拾三文 藤八
此利九十四文
一弐百五拾九文 藤左衛門
此り五十三文
一百七拾弐文 吉右衛門
一六百七拾三文 勘左衛門
一百五拾五文 作右衛門
一・（朱点）五百八拾六文 重郎右衛門
此利九十一文
一弐百五拾弐文 七兵衛
此利五十一文
一六拾七文 弥惣次
一四百三拾弐文 伝右衛門
一弐百九文 清之丞
一百七拾八文 惣左衛門
銭六貫五百文
小寄
〆五貫八百四拾八文
壱文過
ヽ（朱点）印之分
内三百七拾六文取辰十二月
残り五貫四百六拾八文
り四百六文 巳三月ゟ同七月迄六ケ月
二口
〆五貫八百七拾四文
内壱分三朱壱貫八百廿文取
残り壱貫百六拾六文 かし
一弐百七拾六文 権助
一八文 三太郎
一百拾三文 辰右衛門
一五百六文 茂左衛門
一六百六文 伝之丞
一五拾七文 門右衛門
一百拾壱文 七郎左衛門
一七百三拾三文 半之助
（注、以下同様ニ金額人名小寄がつづくが、省略）