[未校訂]二十八日(前略) 丑の頃にいたりて少しまとろミたると覚
えたる程に風も吹かぬに障子なとひしめき鳴まゝふとおと
ろきたるに舟にのりたるこゝちして左右へまろくやう也是
はいミしき地ナ井震のゆりたしなりと思ふな(ママ)へ鳥なき犬もほえ
渡れるさまおぼうげならぬ事なればむねつぶれて母君はい
かにと おわする所へ行に歩みかたきまで也さて母君ハは
やセんさいの中に立てむくつけきことよとのたまへるかた
へにめ姪いお甥いのふるひをるもことわり也□の間にゆりやミ
たるやうなれば家内にいれと少しつゝゆる事のたへまなく
て速に夜あくるまてえいねずなんさて京なとハいかならん
と思ひやらるる
二十九日 (中略)けふの昼まてなゐのゆる事十三度に及へ
りと
(二月)
朔日 そらくもれり 卯二の頃又なゐゆる
(二月)
三日 卯三の頃又地震ゆる 去し夜始てゆりたつにつぎて長
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