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項目 内容
ID J2000089
西暦(綱文)
(グレゴリオ暦)
1847/05/08
和暦 弘化四年三月二十四日
綱文 弘化四年三月二十四日(一八四七・五・八)〔北信濃・越後西部〕
書名 〔弘化丁未天変日記〕地震研究所・石本文庫
本文
[未校訂]弘化四年丁未三月廿四日終日快天夜も猶晴明亥の刻はかり予
寝褥に入り雑書を閲す処に床下揺たるを覚ふ地震ならんと起
上らんとするに挙家鳴動して側への行燈をゆり消し折しも闇
夜咫尺をわかす探り〳〵おの〳〵起出すと喚りなから戸口ま
で転ひ出くゞり戸ひきあくれは老少もともにつとひ出辛ふし
て外の方まては立出たれともなをゆれやますさなから船中に
野するか如し四隣の騒動また夥しく側への前栽よりは砂水を
ふき出し往還の道筋へ溢れ出るさる音[冷|スサマ]しく近隣の凹地はふ
き出せる水堪へて往還を拒む堀際の道筋地裂る事或は壱尺或
は弐尺やゝゆれやむをまちて薄縁戸板やうの物とり出し外の
かたにしはらくの坐を構ふとかくして子の刻はかり又大震れ
衆人面色無之終夜揺々として船中に坐するか如くなれは手拭
にて額をくゝり短夜も一夜千秋の思ひをなし衆人たゝ暁を待
のみ市中はまた石置屋根多くゆり落す石雨雹のことく外のか
たへ出る事あたはす
廿五日 快天ゆれなおやむ時なしおの〳〵空腹に堪へ兼炭火
もて茶を出し怖る〳〵なから飯櫃とり出てたゝ空腹をふさ
くのみ辰の刻過るはかりまた大震れす予此時地上を見るに
さなから荒磯に海水の漂ふに異ならすまた前夜に砂水をふ
き出せる所を見るに前夜に異らすそのふき出せる勢ひ砂水
のぼる事弐尺斗り
此間文意連続せす一枚脱落したるが如し
されはけふも終日終夜小ゆりやむ時なし午の刻はかり信州
の変かつ〳〵きこゆれはそのために恐怖を増して家室に入
るものなし渋紙やうのものとり出竹からみに日覆なんとし
てその日も暮ぬおの〳〵前夜の疲労を抱くといへとも今宵
はさしにいぬるものなく夜ふくれは夜気全身を犯し露を凌
くによしなく鶏の声をかそへ鴉の声をまつに空さへ薄曇り
て雨落かゝらんとすとかくして今宵も暁に近し
廿六日 快天前夜の堪へかたきに懲りてあり合ふ茅簀板戸な
んともち出日覆のうへにかけそへて露凌かん料に構ふけふ
しも衆人安からねとまたさせる大震もなし巳の刻過る斗り
四隣喧しいかにやとそのよしをきくに直江津の海水ひく事
三里はかり是津波の徴なりと庁へ訴へ出るよし折ふし北の
方白雲立のほるを海水あふれ来るかと誤るゝはや木田辺へ
をし来るよと周章たる人々は雑具とりもたせ山手の方へ遁
(四三二頁につづく)
出典 新収日本地震史料 第5巻 別巻6-1
ページ 427
備考 本文欄に[未校訂]が付されているものは、史料集を高精度OCRで等でテキスト化した結果であり、研究者による校訂を経ていないテキストです。信頼性の低い史料や記述が含まれている場合があります。
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版面画像(東京大学地震研究所図書室所蔵)

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