地震史料集テキストデータベース
[未校訂]（表紙）「 弘化四未 一番ゟ
三番迄
変災付日記
三月廿四日ゟ 御勘定所元〆 」
（注、原典は虫喰多し。献上・救済関係・国役・普請・見
分・勘定役との対応、道橋普請人足等の記事中心、冒頭の
部分および被害推定に役立つと思はれるもののみを採用す
る）
口上覚
今般不慮大変ニ付以使僧御伺申上候
大仏頂院使僧
三月廿八日 本覚院
口上覚
去ル廿四日大地震之節寺領三四ケ所ゟ出火山内山外は類焼本
堂□公義御朱印并本仏前立本□ニ無恙
御立退ニ相成申候此段御届□
三月廿八日
大仏頂院使僧本□（覚院カ）
口上覚
□和之砌御座候得共□
信濃守様益御勇健被成御座珍重奉存候、然は今般当表不慮之
大変ニ度々御出役等被 仰付其上昨日は済米御助成被成下且
又以御使者為御尋御目録之通被下之、万々不□□奉存候右御
礼以使僧申上候
三月廿八日
大仏頂院使僧本覚□（院カ）
（中略）
三月廿五日
一大地之次第御領分中□□歟と御勘定役五人御申渡山中□□
辺辺等凡見積り引取申立候様今暁申渡差出候処翌日迄引取
大変之趣あら増申立候間其段申上候一今廿六日善光寺御救方等之義申含□□（明暁カ）御□勝本清
之助差出之
三月廿六日
一今七ツ時前ゟ桜之御馬場□昼夜詰切之人数左之通
郡奉行
御勘定所元分
郡方物書壱人ツゝ
御勘定所物書弐人ツゝ
右は桜之御馬場ニ而御賄出ル
一御蔵之方江順（カ）次事代り合相詰之間左之通
三御蔵奉行
御勘定役
御賄役
御蔵番
木 渡
右は代り合ニ付御賄不出
廿七日
藤井喜内様 岡嶋荘蔵
一駄馬七疋
右は犀川普請人足食糧白米弐拾表（ママ）小松原村へ差遣候付即刻
被仰渡御蔵屋敷へ罷出候様被仰渡可被下候 以上
三月廿七日
一尚々馬士弁当馬之飼料用意罷出候様被仰渡可被下候 以
上
一白米弐拾表
御手代
右小松原村へ遣候付富岡喜代之助請取附添小松原村へ出ス
藤井喜内様 岡嶋荘蔵
一駄馬拾疋
右は善光寺へ被□□三拾表附送御用ニ付即刻□
□罷出候様尤馬士弁当馬之飼料用意罷出候様被仰渡可被
下候以上
三月廿七日
一白米三拾表
右大勧進江被遣候ニ付
御使者 □□
（貼紙）
浦十郎組
和左衛門
与三郎組
吉兵衛
右両人小林友之丞殿江申談異変之儀付□□揚人ニ差出
（貼紙）「□廿四日夜大地震ニ而□破当村舟渡ゟ凡二里半於山平
林村字虚空蔵山ぬけくづがいり犀川江押□うめ水たゝい
其内ニハ流れつき□□其筋如何様之水勢ニ可相成や気遣
□□小前末々迄其心得（以下欠）」
御馬并御馬ニ付く御人共夜中ニ而も御蔵御門通用有之様被
仰渡候付御蔵番江申渡し
恩田頼母殿
竹村金吾殿
昨日御儀罷出候白米弐拾表人馬寄兼候由ニ而附出甚手間取漸
暮半時頃到り見仕候仕合ニ付差掛当村有合候分を以五斗入五
表焚出昨□夕之御間合置申候、依之尚又今日之処茂又々弐拾
表早束（ママ）御渡被成下候様仕度奉存候尤馬而已ニ而は寄付手間取
候事ニ御座候ハゝ人足ニ而背負候様被成下度尤飛脚之者案内
被成下候之様仕度此段早々申上候 以上
三月廿八日 山田兵次
卯中刻出
岡島荘蔵様
尚々御入料之処も相計候得共尚此上之処追々申上度御座候
以上
別紙申上候蠟燭之義も何屋成共御渡（ママ）ニ成丈多く御渡被成下候
様仕度此段茂申上候 以上
三月廿八日 山田兵次
岡嶋荘蔵様
道橋方様 荘蔵
今日小松原村江白米弐拾表相送り度候処昨日は馬殊之外遅着
ニ付差支候由ニ候間馬は御延引人足ニ而相送り度候間早速被
仰渡御蔵屋前江罷出候様口上亦被仰渡可被下候、右得貴意候
以上
三月廿八日
専納村拝借米之儀付伺
竹村金吾
家数三十四軒之内 専納村
一弐拾八軒 皆潰
内四軒 抜覆
外堂三ケ所
一六軒半潰一死失拾四人内男九人女五人
残人数
一百八拾壱人
一斃馬五疋
右村方此度変事書面之通御座候
一玄米拾表
前条之次第ニ而貯置候穀物掘出候迄当座夫喰差支難渋仕候
付御救御手充筋願出候然ル処外村見渡茂御座候儀ニ付先書
面之通拝借米被成下候様仕度此段奉伺候 以上
三月 岡嶋荘蔵
晦日出ス 竹村金吾
右即刻伺之通御聞済ニ付米御蔵方江其 山寺源太夫
段忠蔵ゟ申通 磯田音門
四月朔日
倉並村拝借金之儀ニ付伺 磯田音門
一金五両 倉並村
右村此度之変災ニ而一村家数四拾弐軒之内三拾軒は家財不
残土中に押埋農具等一向無御座追々秋作蒔附之時節相成候
得共調候手段無御座難渋ニ付拝借金仕度旨願出候、無拠次
第ニ御座候間以 御情書面之金高拝借被成下候様仕度此段
奉伺候以上
四月朔日 郡方御連名
伺之通御聞被仰渡候
四月四日
乍恐以書取奉申上候
当村御口留加茂善五郎儀長々病気ニ罷在候処此度廿四日之夜
大地震ニ而 御番所潰候故其中ゟ出シ候処怪我は不仕候得共
大病之上気を打候故病気差重朝暮死生難計奉存候間当村嘉源
太子喜惣治を以役代為相勤度奉存候此段加茂善五郎ゟ可申立
奉存候得共右仕合ニ御座候間差掛り村役人ゟ奉申上候此段御
差含被成下度奉願候 以上
弘化四未年四月四日
吉田村
名主 良左衛門
組頭 喜重郎
長百姓 惣左衛門
御出張御方様
四月七日
（ムシ）□
先達テ御訴申上置候字不老山抜崩候上口続明候□所猶又昨六
日朝地震故哉口五尺□ツゝ凡三四百間程もわれ下り候付此段
別□絵図を以御訴奉申上候、右場所抜出申し候而は当村住居
は不及申御田地多分荒地ニ罷成候哉も難計大小御百姓一同当
惑仕候乍恐此段御聞置奉申上候 以上
○本文絵図面留略ス
弘化四未年四月七日
新山村
三役人
郡御奉行所
四月十六日
口上覚
支配山田中村両組之内今般山抜ニ而居家三拾六軒家財等不残
土中ニ罷成右家内人別百弐拾四人之者当節夫喰必至と差支極
難渋仕候付別紙□御情筋願出候処無余義次第ニ御
座候間御救筋被成下候様仕度村方願書相添此段奉伺候 以上
四月 長谷川深美
四月廿日
乍恐以書取奉申上候
一当村山抜居家潰押埋人別吉称 利左衛門 吉蔵 とわ 長
左衛門 伴右衛門 宝寿院 要蔵 浅右衛門 源左衛門
重左衛門 市左衛門 惣蔵 三左衛門 半助 喜三郎 利
右衛門 銀左衛門 右拾八人之者は農具并鍋釜手桶等押埋
一切無御座村内手廻り之者ゟ融通等茂出来兼候付乍恐金子
五両弐分程御拝借奉願上農具等品々相求御百姓相勤度奉願
上候此上幾重ニ茂 御憐愍之 御意奉仰候 以上
弘化四未年四月 念仏寺村上組
名主 源七
組頭 喜三郎
長百姓 伴右衛門
御勘定御元〆
御役所
念仏寺村
一金五両弐分 上組
去月廿四日地震之節拾八人之者共居家押埋農具等無御座此節
秋作仕附之時節候得共手入差支難渋之旨別紙之通御取成之義
申聞候倉並村御振合も御座候儀ニ付御勘弁被成下候様此段申
上候 以上
四月廿日 菊池孝助
小林三左衛門
念仏寺村上組拝借金之義付伺 磯田音門
念仏寺村
一金五両弐分 上組
右は去月中大地震之節拾八軒之者共居家并家財共土中江押埋
農具等無御座此節秋作蒔付之時節相成候得共村内手廻之者ニ
而融通等茂出来兼難渋ニ付拝借金仕度旨願出候段別紙之通御
勘定所元〆役申立候以 御情書面之金高拝借被成下候様仕度
此段奉伺候 以上
四月廿日
即刻御聞済
御代官出之儀伊藤殿へ申遣
岡嶋荘蔵
竹村金吾
山寺源太夫
磯田音門
四月二十二日
一金拾両 下租山村
地震之節居家押埋拾四軒之内四軒は家内一人も不残死失残拾
軒之者農具并紙漉道具入料拝借御役方江願出候付音門殿江申
立候処御聞済ニ付拝借掛江御差図相廻ス
五月九日
犀川
水湛村々
当時干揚 大岡村 当時干揚 和田村
当時干揚 吐唄村 当時干揚 南牧村
当時干揚 牧田中村 当時干揚 牧之嶋村
当時干揚少々水中有之 下市場村 当時干揚少々水中有之 竹房村
当時干揚 吉原村 当時干揚平組半分水中有之 水内村
当時干揚 山穂苅村 当時干揚少々水中有之 上条村
当時干揚 越道村 当時干揚 山上条村
当時干揚水中も有之 新町村 当時干揚 中牧村（カ）
当時干揚 大原村 当時干揚 日名村
当時干揚平組水中有之 三水村 当時干揚水中も有之 氷熊村
当時干揚水中も有之 平林村押下村々
長井村 安庭村 笹平村 瀬脇村 山布施村 宮之尾村 吉
窪村 小市村 小松原村 四屋村 丹波嶋村 青木嶋村 下
氷鉋村 綱島村 河合村 真嶋村 小島田村 大塚村 広田
村 藤牧村 上布施村 原村 高田村御平（幣）川村 横田村
合村 小森村 東福寺村 杵渕村 西寺尾村 小沼村 相之
嶋村 大熊村 東寺尾村 柴村 牧島村 大室村 川田村
牛嶋村 福島村 風間村 大豆嶋村 布野村 村山村 中俣
村 小島村 □（ムシ）所村 窪□（ムシ）村 市□（ムシ）村 与田村 □（ムシ）牧田□
□（ムシ）北長池村 土口村 雨宮村 岩野村大安寺村
土尻川水湛
当時干揚水中も有之 五十里村 当時干揚 中条村
〆八拾ケ村
御勘定方水中之村々干揚候哉村々書出候様被仰渡覚之進殿よ
り取調之義申談付評義之上書面之通取調差出候処其儘御受取
之旨五月九日高之覚之進殿□出帰被申聞候
五月十三日
乍恐以書付奉歎願候
当村之儀三月廿四日夜大地震ニ付居家大凡潰ニ罷成候上山抜
八軒押埋罷成死失多難渋罷在付其砌玄米拾五表拝借被成下取
続罷在難有仕合奉存候、然処此程中□（ムシ）相続大雨ニ而沢々出来
仕又々山抜本村四軒親沢組三軒押埋罷成右軒別之内七人其外
極難之者別紙調帳之通此節夫食差支難渋仕候付麦作取入候迄
何卒御救助被成下置候様奉歎願候此上幾重ニも 御憐愍 御
意奉仰候 以上
梅木村上組
弘化四未年五月 三役人
御代官所
五月二十九日
水内村□
大麦百表代三拾表直段〆
一金三拾三両弐拾匁
拾両五月廿六日渡
内弐拾三両壱朱
六月十一日
難渋人別
百人
右村犀川水湛居家三拾五軒水入内三拾三軒流失八人之屋敷
は今以水中麦作水腐高三拾石程石砂入九拾石余は今以水中
罷成最初御手充籾拾表被成下候外別段御下□無御座候得共
御手充被下是迄相続罷在候処弐拾五軒人別九拾九人堂守壱
人一同夫食差支難渋ニ付壱人ニ付壱表ツゝ代金拝借被□
□
同村安用組
大麦三拾四表代右同直段〆 難渋人別
一金拾壱両弐拾匁 三拾四人
同六表弐斗五升代 同断修験
一金弐両拾匁 拾三人
右犀川水湛橋場□屋之両組居家六軒水入之上流失麦作右同
様ニ相成籾拾壱表其外共御手充被成下取続罷在候処前文三
拾四人夫食差支ニ付壱人付麦壱表代金ニ而拝借仕度奉願修
験三軒人数十三人是又壱人ニ付大麦半表之積を以拝借□度
旨
大麦三拾四表代右同直段ニシテ 山穂刈村
一金拾壱両弐拾匁 三拾四人
右太田組拾三軒之人別居家水中麦作水腐ニ相成右之内七軒人
数三拾四人之者差支極難渋ニ付書面之通拝借仕度候
但是迄御下ケ表無之村内ニ而稗四拾五表融通致相凌居候
右山田兵次伺之処御聞済之段前ニ御奉行所御伺写有之
六月二十一日
乍恐以書付奉願上候
当村之儀三月廿四日大地震ニて××拾五軒之者共住居之小屋
場不残山抜覆小川江押出シ惣人数九拾五人内七拾弐人変死仕
相残人数弐拾三人之者共住居難仕旨段々村役元江願出候、然
ル処唯今迄住居罷在候小屋場続当村御高辻之内新町村入作人
塩太郎所持之畑方御高八斗壱升七合之場所右××共小作仕罷
在候処永小作仕向後小屋掛住居為仕度塩太郎江も申談候処差
支之儀も無御座候間右様奉願上候、尤寛文度ゟ本新田御高壱
石六斗七升七合××源助新右衛門両人ニて御水帳頂戴仕罷在
候間可相成御儀御座候ハゝ御情願之通村役人ニ被 仰付被成
下置候ハゝ難有仕合奉存候、此上幾重ニも 御憐愍之御意奉
仰候 以上
上条村
名主 清八
組頭 角左衛門
長百姓 孫兵衛
御代官所
宝二