地震史料集テキストデータベース
[未校訂]「 （表紙）弘化四未年四月
三番
御救方御用日記 」
（注、領民から御救筋への寄附願などは省略）
今般変災ニ付其村勝手向相整常ニ心掛宜非常之節御用弁も仕
候者有之哉役人頭立厚勘弁詮義之上村融通并献金献俵塩・噌
等御救方江差出度者有之候は当人印形持参 御勘定所元〆役
江申出候共当屋敷江申出候共申聞候様今度は格別之 御褒詞
も可被成下候間役人頭立差含可取計候、此段内々申達候 以
上
小林唯蔵
石川村
四月四日 三役人
尚々右躰之者無之候ハゝ不及罷出此触書序之節可相返候
其村御救方申立之内玄米拾五表用意次第新町村江相渡候村継
人足ヲ以早々可相渡候 以上
四月四日夜 小林唯蔵
赤田村
三役人
世話役
庄左衛門
玄米拾五表
右は赤田村ゟ新町村江御救筋差遣候村継人足無滞可相届候
以上
四月五日 小林唯蔵
赤田村
（境新田村氷熊村
吉原村
竹房村
右村々
三役人
前略赤田村御救方申立之内玄米拾五表斉藤藤作申聞ニ付新町
村江村継ヲ以相渡候間其段御承知被成下候様奉願候、此段申
上候 以上
四月五日 唯蔵
忠蔵様
四月四日晩公事方御手附斉藤藤作泊り兼候共其村急難之者共
御救方人別手透も有之由依之籾麦俵渡相極銘々取こしらへ日
割穀物役人願立相極申候様取計可申候、右ニ付役人之内壱人
相弁候者可罷出候 以上
四月五日 小林唯蔵
山平林村
三役人
今以震茂相止不申御同意心配仕候、嘸々何廉御心通（ママ）之儀と御
察申候、然は過日被仰下候柳沢一郎殿囲穀之内村内手充残之
表数衆人を以外村江持運囲被置候内拾五表新町村此節必至と
差支候由ニ付右村江御返し相成候様御取計可被成旨磯田音門
殿被仰渡候、尤右御囲之分は隣村江御返し成度旨被仰下候ニ
付右之段申立候処差残り之儀ニ付先拾五表被差越、右表数丈
は追而此表ゟ御送りに相成候様取計不申候間早々新町村方江
御向（ママ）御座候様仕度音門殿・私ゟ御懸合可申旨被仰渡候ニ付此
段早々得貴意候 以上
四月四日 孝助
唯蔵様
御用書拝見仕候、今以震茂相止不申今朝抔は強地震ニ而又々
破損等出来迷惑之御義奉存候、然は柳沢一郎殿囲穀内村内江
手充残り御座候処新町村御救方御渡被仰渡、然ル処籾并皮麦
ニ而罷在急御救ニ難相成赤田村人別之内御救方申立之内早速
玄米取拵申含今七ツ時頃ニは右村ゟ村継を以竹房迄差贈り右
村ゟ御用通船ニ而取計相届候様公事方御手附斉藤東作申談事
ニ取計仕候、且又村々御救方江差上之次第委細水井公江申上
置候間定而御承知可被成置奉存候、尚追々取調可申上候宜様
御執成奉願候 以上
四月五日 唯蔵
孝助様
専納村八郎兵衛罷出大麦拾六表相渡ス
差上申拝借証文之事
一大麦弐拾表 但麦作取入之上返上可仕候
右は先月廿四日大地震之節銘々居宅寄（ママ）潰諸穀物土中江埋用
立不申大勢之人別夫喰必至と差支難渋仕候ニ付奉願上候処
格別之以 御情前書之通拝借被成下置当時難渋相済難有仕
合ニ奉存候、依之御受拝借証文奉差上候、此上幾重ニも
御憐愍之程奉願上候 以上
弘化四未年四月五日 専納村
名主 久兵衛
組頭 八郎兵衛
同断 長左衛門
仮長百姓
専左衛門
頭立 民右衛門
同断 康平
小林唯蔵様
御内
御役人中様
窮民御手充 三ケ年程 潰焼失 南牧村
三左衛門 年五十六
女房育 年四十二
母 年八十余
栄之助 年二十八
女房 年二十三
女子 年四ツ
妹 年二十六
今朝は田野口村佐兵衛并小田原人別御救方へ差上申立願書面
御廻し被成下格別之御配慮故御救方多分ニ罷成偏御賢斗（ママ）恐入
候、且又別段相願候ハ南牧村一倉田和組之者弐人御救方右村
役人申立候処壱人は潰焼失□（判読不能）は潰焼失ニ無之右潰
之所書上帳ニ任せ聢と穿鑿不行届候付此方ゟ御救申立仕兼罷
在候、乍然難渋穿鑿不行届場ニ而御救延引相成候而は恐入候
間何卒即座之所御手ニ而何とか御取計被成下候様相願候、罷
帰次第申立仕候共又は村方之者同役迄罷出候共取計可仕奉存
候間当座之所村方御尋之上前文之趣御含可然奉願候 以上
四月七日 唯蔵様 忠蔵
乍恐以書付奉願候
窮民
一白米八升四合 三左衛門
家内三人
一白米壱斗壱升弐合 潰焼失
栄之助
家内四人
右は此度変災ニ付当村三左衛門義是迄窮民御手充頂戴仕候程
之儀栄之助儀住家不残焼失仕組合・親類・村役人之者差掛り
融通不行届奉恐入候、何分右穀物御下ケ渡被成下 御救置被
成下置候得は難有仕合奉存候、幾重ニ茂 御憐愍之程奉願候
以上
弘化四未年四月八日 南牧村
名主 喜源治
組頭 茂平太
長百姓 三郎右衛門
小林唯蔵様
乍恐以書付奉願候
一当村之儀去月廿四日夜山平林村山抜犀川押留水漂当時一村
住居御高辻共不残水中ニ罷成難儀至極奉存、依之一村為
御救諸品御下ケ渡被成下置候趣被 仰渡難有仕合奉存候、
則今日白米壱石五斗□五斗御渡被成下慥ニ奉請取難有仕合
奉存候、此上 御情之程奉仰候 以上
下市場村
弘化四未年四月八日 名主 健左衛門
組頭 甚左衛門
長百姓 庄兵衛
小林唯蔵様
相尋儀有之間役人之内相弁之者早々可罷出候 以上
四月七日 小林唯蔵
三水今泉村
三役人
其村住居水中ニ罷成候者食物其外差支候ハゝ早々郡方御役所
願出 御救方歎願可致候 以上
四月十日 小林唯蔵
竹房村
三役人
四月十日夜
一紀州殿御抱大工大平常吉外ニ供壱人
右之者大変ニ付江戸御座敷ゟ帰国仕候処行暮難渋仕止宿相
願候ニ付止宿為致候、此者出生之□（判読不能）水内郡新町
在味（見）藤村友吉忰之由申候
乍恐御尋ニ付以書付奉申上候
私義今度変災ニ付住所并御高辻之田畑共水中ニ罷成候ニ付御
他領江引越少々之家財持運ひ逃去候風聞御座候ニ付村役人被
召呼御尋被成下候ニ付私罷出左ニ御答申上候
此段私女房右変災ニ付病気差発り候ニ付布施高田村清介・
南原村佐重郎方江縁者ニ付□（ムシ）村江預ケ看病為仕度候処右
村方は犀川筋押留湛切候得ハ水中ニも可相成哉ニ付 松平
飛驒守様御知行所塩崎村之内長谷組梅蔵方江妹縁付遣候ニ
付右村江相頼看病仕度殊ニ病症難計ニ付少々之間私附添看
病仕度御座候、全家財等持運逃去候と申義は無御座候、此
上住所村江罷帰り御百姓相続仕度奉存候、万一喰物等行届
兼候節ハ 御救筋奉願候心底ニ而御座候、此段有躰御答奉
申上候 以上
弘化四未年四月 三水今泉村
勇 吉
小林唯蔵様
前書之通承届相違無御座候 以上
名主 与右衛門
組頭 平左衛門
長百姓 弥一兵衛
差上申御請一札之事
一当村和田組拾壱軒人数四拾五人之者共今度変災ニ付住所御
高辻之御田地共水中ニ罷成難義至極ニ奉存候、此上ニ御情
筋以 御救被成下置候様奉願候、右ニ付当村人別之者御他
領江逃去ル者御座候節ハ残之者共如何様被 仰付候共対御
上様一切御恨申上間敷候、依而御請印証指上候
一当村銀右衛門家内三人坂本宿江当座引越罷在候ニ付其段郡
方御役所江御訴申上置候 以上
弘化四未年四月十日 和田吐唄村
名主 長蔵
組頭 金右衛門
長百姓 清四郎
小林唯蔵様
差上申御救米頂戴御請証文之事
一玄米八表 但弐斗八升入
右は去月廿四日夜大地震住宅寄潰焼失仕其上山平林村地内
ニ而犀川押留和田十一軒住所御田地共只今水中ニ罷成候ニ
付只今迄ハ清四郎運出し候穀物融通仕候処行届兼候ニ付蔦
蔵・金蔵・平左衛門・作左衛門・万右衛門・伝五郎・伝左
衛門・長太左衛門・勘左衛門〆九軒之者人数〆子供迄四拾
五人之者共 御救米御下渡被成下奉請取難有仕合ニ奉存
候、此上御情之程奉仰候 以上
弘化四未年四月十日 和田吐唄村
名主 長蔵
組頭 金蔵
長百姓 清四郎
小林唯蔵様
右之内六表孝左衛門ゟ渡ス
和田村
一 蔦蔵
家内五人
一 金蔵
五人
一 平左衛門
五人
一 作左衛門
七人
一 万右衛門
四人
一 伝五郎
四人
一 伝左衛門
五人
一 長太左衛門
五人
一 勘左衛門
五人
〆人数四拾五人
内小供拾五人
吐唄村
一家内六人 与惣左衛門
一同四人 庄兵衛
一同六人 織兵衛
一同四人 勇左衛門
〆人数弐拾人
内小供七人
右之和田村は地震寄潰之上焼失住所田畑共不残水中ニ罷成吐
唄村四人之者ハ元ゟ難渋居家寄潰米穀日稼ヲ以渡世仕居候処
今般変災ニ付何卒格段之以 御憐愍ヲ 御救筋被成下置候様
奉仰候 以上
弘化四未年四月十日 和田吐唄村
名主 長蔵
組頭 金右衛門
長百姓 清四郎
小林唯蔵様
差上申御救方人別御書上
一□軒弐拾八軒 水主四軒人数弐拾四人
堂一ケ所 守壱人
右之内
一家内八人 留五郎
一同 四人 重郎次
一 三人 亀吉
一 三人 勝右衛門
一 六人 水主権太
一 五人 同弥吉
一 四人 同繁吉
〆三十三人
内子供八人
右之通御座候、此上幾重ニも 御憐愍之 御意奉仰候 以上
弘化四未年四月十一日 下市場村
名主 健左衛門
組頭 甚左衛門
長百姓 庄兵衛
小林唯蔵様
八日請書之分白米壱石五斗わり麦五斗渡ス
一鶏卵十五 赤田村
大五郎
高野村
孝平太
今度変災ニ付其村 御救方世話厚心掛候様其次第ニ寄可被成
下 御褒詞候
弘化四未年四月十一日 小林唯蔵
高野村
式右衛門
今度変災ニ付其村 御救方世話厚心掛候様其次第ニ寄可被成
下 御褒詞候
弘化四未年四月十一日 小林唯蔵
差上申御救請取一札之事
一金五両也
右は変災ニ付当村方山抜潰極難渋之者共江味噌・塩代金之
内御下渡被成下慥奉受取追々取調可奉差上候 以上
山平林村
御救方世話役
半右衛門
今朝十一日 弘化四未年四月十一日
松本領三清寺迄水ゆたい候由申聞小林唯蔵様
御普請役
佐藤睦三郎殿
其村方山崩并犀川漂泊為御見分今朝坂木宿出立被罷越候、
役人頭立目洗石迄罷出可致案内候 以上
四月十二日朝五ツ時 小林唯蔵
氷熊村
山平林村
右村々三役人
四月十二日朝村役人申立ニ付急差掛候ニ付触届出ス
御救方江差上人別
山平林村
一籾拾俵 伝右衛門
一大麦拾俵 同人
一同三拾表 幸左衛門
一同弐表 政右衛門
〆五拾弐表 山平林村
内拾五表程村役人取計差掛り人別江相渡候由此段御内々
御含被成下右村方へ残之分も御救方ニ仕度心得ニ而差出
候由御含可被成下候
山布施村
一籾五表 五郎兵衛
一同五表 吉郎兵衛
吉郎兵衛子
一金弐分也 養之助
右は休日等相働非常之節御用達度申出
一籾五表 清治郎
一同弐表 蔵之助
一同弐表 五左衛門
一同壱表 源右衛門
一金壱両也 吉三郎
一金弐分也 仁兵衛
〆籾弐拾表 山布施村之義山平林村共
金弐両也 右村半左衛門申含申出候
四月十一日申出 高野村
一金拾五両也 幸平太
一籾弐拾表 式右衛門
〆高野村
右之通御座候書類共相添差出申候 以上
四月十二日 唯蔵
忠蔵様
嘸々可被成御労奉察候、然は 御救方村方其外人気相知不申
殊ニ米穀過不足等内実相探不申候得共 御救方御仁恵行届兼
候間奉伺村方ニ寄隣村迄御救中世話役申渡候処右村世話之者
ゟ申談仕 御仁恵難有追々上納仕候義ニ御座候、追而其次第
ニ寄世話役之者ニ御褒詞被成下度御含奉願候、昨日迄申出之
分別紙取調差上申候、尚追々申出次第可申上候 以上
四月十二日 唯蔵
忠蔵様
四月十二日
一塩弐駄
代金壱両三分弐朱也
八両三分直
右ハ御買上
志のゝ井
忠三郎ゟ
使孝右衛門
駒五郎
同日
一沓五拾足
十足直代五百文渡
一同九拾九足
十一足直代九百文渡
山平林村桜井組
重郎治
一砂糖 一曲
赤田村
源吉
一玉子 七ツ
大森
良吉
同日
一大豆壱表
右は差上之内
氷熊村
浅野組勝郎治
使嘉兵衛
同日入
一大豆弐表 但三分拾朱迄売上申候
右之代
同村
治郎左衛門
使駒五郎
四月十二日昼休佐久間修理殿
下市場村
名主 健左衛門
組頭 甚左衛門
長百姓 庄兵衛江渡
一銭拾弐貫八百文 此銭請取十八日
金壱両也
合金三両也
右は鍋・釜・塩・味噌代之内
差上申御救方頂戴御請証文之事
十八日
一金三両也 内弐両請取
右は当村中犀川関（ママ）留水湛住所御田地共不残亡失ニ付鍋・釜・
塩噌代之内御下渡被成下慥ニ奉請取難有仕合ニ奉存候、
追而委細御書上可仕候、依之 御請証文奉差上候、仍而如
件
弘化四未年四月十二日
下市場村
名主 健左衛門
組頭 甚左衛門
長百姓 庄兵衛
小林唯蔵様
犀川筋水湛候ニ付而は水辺村方常々水練功者之者ハ家財其外
漂候処上陸いたし置追々持主江差遣候共水上入料受取候得は
一統融通ニ茂相成候間早々相触諸品引上候様可取計候、万一
故障之者も有之候ハゝ臨時出役可被申立候 以上
四月十二日 小林唯蔵
吉原村
竹房村
牧野嶋村
牧田中村
下市場村
中牧村
南牧村
和田吐唄村
川口村
和平村
根越村
□□日名村
大原村
穂苅村
新町村
上条村
水内村
右村々三役人
口上覚
犀川筋松本御領御境ゟ川下村々水中ニ罷成別而水内郡は人気
荒々敷罷成候由ニ付右御取締出役可被 仰付御義ニ茂御座候
哉、此段御内々奉申上候 以上
四月十二日 小林唯蔵
岡荘蔵様
竹金吾様
山源太夫様
磯音門様
口上覚
今以震茂相止不申難義至極ニ奉存候、然は松本御領ニ而ハ御
境村方御給人位之御家来出役いたし救方手充仕候風聞既ニ御
領分村方之内江触書差出救方いたし候旨相触候風聞も御座
候、右ニ付而は私見込ミ村方ニ抱り候御役歟又ハ御番士春次
御同心江差添日名村近辺江御出帳御座候ハゝ御取締ニ罷成御
外聞も宜敷可有御座哉且通船等江家財雑物積乗御他領江逃去
ル者も有之哉ニ風聞仕候、旁御出役無御座候而ハ松本御家来
ゟ右様御領内江救筋相触候様如何之義ニ付此段厚御勘弁可被
成下候、且又大岡筋川口村迄ハ騎馬茂相立可申哉御領分之者
尋向も落付此場ニ而他領江差遣候儀何とも奉恐入候得共 御
憐察之上不言御義ニも御座候ハゝ別紙被仰立被成下候様極御
内々申上候、呉々御勘考奉願候 以上
唯蔵
四月十二日七ツ時
孝助様
三左衛門様
右四月十二日村継ヲ以申立ル、石川村江伝馬吉三郎
同日 一金三分弐朱 氷熊村
平助
右は大麦弐表御買上代金渡ス
一大麦四表大豆壱表
浅野村
勝郎次
右は村内融通残御座候村内ニ而差上候者無之付極内々格別
之義ニ付差上度申出候
四月十三日
一馬沓 代 桜井
重郎次
渡ス
手代
西沢久吾殿山中筋出役ニ付立寄御代官山田兵次殿西沢軍治
殿山中筋廻村
同日 一金弐分也 山穂刈村味藤
友七預り
右は米穀代之内紀州殿藩中大平常吉ゟ預り
口上覚
一玄米拾五表
内壱表白米ニ而
右は今般大地震付火水之難渋ニ付新町村為御救被下置候分
書面之通俵数慥受取右村役人江相渡申候、為後日切手差上
申処如件
弘化四未年四月 公事方同心
斉（カ）藤藤作
小林唯蔵様
御使中
一 一曲 望月主米殿
御使
一四月十三日夕七ツ半時山平林村地内犀川関留候場所押切候
由申来ル
夕七ツ半時
一同日赤田村庄左衛門へ申遣ス粥用意弐ケ所追而 御入用被
下候間早々取計候様 境新田村・中山新田村・山布施村・
青池村・有旅村・山村山村・石川村・田野口村右村々差掛
り触届を以申渡ス
口上覚
一表石垣崩 四ケ所
一表囲塀倒 弐ケ所
一住居向大斜
右は去月廿四日大地震之節破損所書面之通ニ御座候、此段
申上候 以上
四月 小林唯蔵
山寺源太夫様
一死人 弐千九百壱人
内三拾五人 町之外焼失
一怪我人 千六拾人
内弐拾七人 同断
一斃馬 弐百四拾三疋
一牛 四疋
一潰家 千八百八拾弐軒
内百三拾弐軒 町之外潰家
一半潰家 三千軒
内百軒 同断
〆
四月十二日調申上 郡方
水引下ケ川中島之者住居江罷帰り候ニ付御救粥相止可申候
以上
四月十四日 小林唯蔵
石川村
赤田村
境新田村
中山新田村
青池村
山布施村
有旅村
山村山村
田野口村
右村々
三役人
牧田中村直蔵・七兵衛子到り
灰原村佐源太・兵左衛門・勝右衛門到り
山和田村重太段々難有奉存候、当村水引今朝は川筋常水位ニ
相成候ニ付御届ニ罷出候、吉原村善兵衛当村御救之義中牧村
万吉ゟ籾九表宮平村千右衛門ゟ籾拾弐表小林三左衛門様・菊
池孝助様御下被下候段申出候、三郎右衛門義御救方世話役不
承知御座候
牧田中村金右衛門子金三郎・四郎右衛門嶋吉到り
高野村嘉平治苗不足ニ付融通被下度申出候、御内用之義ニ付
申談事有之間役人之内壱人可罷出候 以上
四月十五日 小林唯蔵
竹房村
新町村
下市場村
庄兵衛
牧野嶋村
牧田中村
和田吐唄村
清四郎
右村三役人
尚々早々順達留方序之節可相返候
四月十三日七ツ半時犀川関留候場所崩始夫ゟ川中島押出御平
川家床迄横田村家ぎわ迄土口村家ぎわ迄夫ゟ下之義は一円ニ
水つき 御城裏御船御役所迄水つき夜九ツ半時ニ相成候得は
少々宛水引始メ翌十四日四ツ時頃は水大底引払申候、高井
郡綿内辺は大変之様子ニ御座候
十四日 山穂苅村味藤組
一白米弐斗 友七渡ス
使愛左衛門
十四日
一白米壱升 吐唄御救ニ粥入料
古米・玄米
四月十四日 和沢組
一白米五升 七五郎渡ス
一わり五升
兎角地震ニも落付兼御同意当惑仕候先以御安泰被為成御座奉
恐（ママ）寿候、然は山和田・吐唄村両村先達而同姓廻村之節極難之
人別致奉公度人別別紙名前之者共相縋候ニ付其段申遣候付所
々申談書入之通相極罷出候役人江申談遣し候処今以壱人も不
差遣申談候所々ゟ之度々才足有之申立甚迷惑仕候、何卒早速
差遣し候様乍御面倒奉頼候、申談行届兼跡ゟ申遣候ハゝ貴公
様江可申上候間申遣候義も有之ニ付無余義前条奉願候間両村
役人之内御召呼一刻も早く罷出候様被仰渡被成下候様呉々も
奉願上候折角時候御厭御座候様奉存候、取返早々申上候 以
上
四月十五日五ツ時頃迄 忠治
忠蔵様
申上
尚々段々御心配も御座候、犀川押出潰川中嶋川北は不便之
至察入候義 御上ニおゐてハ多く之御損亡高尓可相成（とカ）は奉
恐入候、且山和田・吐唄両村ハ牧田中村分地江小屋掛住居
いたし候旨申遣候義御座候、此段御含迄申上候 以上
山和田村
水井忠蔵方江 伝左衛門娘
いよ○
田沢喜兵衛方江 同人孫
志う○
吐唄村
徳嶋恒吉殿江 民之助○
同人方江 庄兵衛娘吉重女房
志め
堀田覚兵衛殿江 民之助女房
くま
寺町八田喜兵衛殿江 民之助母年五十五
く羅
大嶋留作殿江 庄兵衛子
吉重○
〆
水井忠蔵殿江申立候奉公稼之者とも早々差遣し可申候、右ニ
付役人之内壱人早々可罷出候 以上
四月十五日 小林唯蔵
七ツ時 和田吐唄村
三役人
右触書日名村勝作江渡ス
四月十五日
竹房村七左衛門日名村□作諸商見込申渡入有旅村名主三郎右
衛門右村味噌・塩等之義申渡
四月十六日
二ツ柳与五右衛門 茶一箱
布施高田甲田秀□ 鮭壱疋
伊藤一学 菓子
小出祐之助 鮭壱疋
北村与右衛門 満水ニ付不行
右使遣ス柳沢斉右衛門・小出久蔵
氷熊村浅野組勝次郎申立高野村勘右衛門申立御用状を以水井
忠蔵殿山中御用先江申遣ス山村山村組頭佐左衛門へ渡
奉指上御救米御請証文之事
一玄米弐拾表 但弐斗八升入
右は去月廿四日夜大地震ゟ以来山野ニ罷在其上当十三日犀
川関留候場所之水湛押出住所五十軒余亡所ニ罷成候ニ付御
救米奉願候処書面之通御下渡被成下置慥奉請取難有仕合奉
存候、此段御請奉申上候 以上 山村山村
弘化四未四月十六日 名主 弥藤太
組頭 佐左衛門
長百姓 助左衛門
小林唯蔵様
右村組頭佐左衛門并人足弐十人罷出候付東沢組文左衛門ゟ
玄米拾表和田組幸左衛門ゟ玄米拾表相渡ス
入有旅村役人申聞
味噌・大豆弐表分煮奉願度申聞
口上覚
御内意被成下置候山中方当用紙・塩・米穀・油・蠟燭其外産
物才美麻紙類売買渡世之場所必至と差支候ニ付而は見込 御
内慮被 仰渡左ニ御答申上候
山中筋是迄村々ニ両三軒程宛江諸色商売仕候処此節住居潰
或ハ死失等ニ而仕入金差支罷在且新町村ハ市場而已ニ而渡
世之者多最寄宜場所ニ御座候処右村方江先為御用四五軒為
相開竹房村・下市場・牧野嶋・日名村・里穂刈・越道山・
山上条都而山中筋是迄商家も御座候ニ付右村々江身元貞実
之者江村中為請取元金貸下仕日用之商売為仕且所産物之義
ハ買取次第産物会所江相廻し代金請取融通仕候ハゝ何と歟
御領分救筋之一助ニ茂可罷成哉奉存候、産物之義ハ金高多
ニ御座候間他之商人も此節之義と相巧可申哉難計奉存候
一右元金貸下壱割利付其所并山中救筋ニも可罷成義ニ付其村
々ニ而為受取壱人ニ三四拾両宛も数ケ村ニ而は凡千両も拝
借不被成下候得は仕方も無御座哉
御金御逼迫之御時節ニは御座候得共山中筋産物等ニ而交易
仕 御上納并年中米穀諸品相調候場所付差支之義哉ニ奉存
候、尤追々 御領分村方江申含候而も少々位ハ借入金取計
茂出来可申哉当節人気荒々唯身之始末而已仕是迄仕来候者
も相止 御近領之者入込徳益ニ可可（ママ）罷成何共歎ケ敷奉存候
一御城下町人出張商売仕候而は土地人気不弁旁雑費多く相掛
り元金相掛候は眼前之義と奉存候ニ付紙麻類村方ニ寄当時
四五拾両位も有之候村方も御座候哉ニ相聞候得は当座右品
物御城下江差贈り為売取（ママ）候者哉産物会所ニ而取計候者哉
御町方手充宜者江御内意被成下候義ニも御座候哉
一右之（ママ）ニ付最寄村々内実詮義仕銘々見込奉入御覧度奉存候、
此段御勘弁被成下置候様仕度奉申上候
下札 最寄村々内実申渡候処今以不申出追々可奉申上候
一右元金御下渡ニ罷成候は拝借人一両人相極取扱御利足金ハ
七分ニ而上納為仕度貸下村ゟは壱割利分受取候共時々金子
ニ休御座候得ば七分ニも六ケ敷可奉存候、右御答奉申上候
以上
四月十七日
右磯田音門殿江差出 使久蔵
今度差上之大豆弐拾表可差出候 以上
四月十七日
小林唯蔵
赤田村
久右衛門
三役人
和田吐唄村名主長蔵召連とふしら吉重民之助同道忠治殿江添
状遣ス
乍恐以書付御請奉申上候
一玄米三表 但五斗入
割麦壱表
右は今般変災ニ付御救米被成下置慥奉請取人別割合仕難
有仕合奉存候、此段御請奉申上候 以上
入有旅村
林左衛門
三郎右衛門
久 八
弘化四未四月十七日 谷五郎
重五郎
名主 三郎右衛門
組頭 久 八
小林唯蔵様
乍恐以書付奉願上候
一大豆弐表分桜井組
久八 重五郎
家内八人
右は今般変災付可罷成御儀御座候者味噌ニ而頂戴仕度奉願
候、尤右出来迄は居村喰余り之者融通罷在候、御情願之通御
聞済被成下置候様願奉候 以上
入有旅村
弘化四未四月十七日 名主 三郎右衛門
組頭 久八
小林唯蔵様
入有旅村
桜井組山抜押出潰人別林左衛門・谷五郎・三郎右衛門・久
八・吉五郎・作左衛門・八百吉・喜伝治・安左衛門・了戒・
利金太当節不願人別日名村竜作弟佐市申聞
以書取奉申上候
一今度異変ニ付諸品調方并売捌方之場所差支ニ罷成候ニ付別
紙不自由之品々御仕入下被成下候得は当村并隣村差支之向
々江私売捌仕度旨尚又別紙産物之品々と交易并正金仕入方
仕御産物御会所ニ而御差配被成下度候間何卒前文之趣ニ被
成下候得は当村并隣村売買方融通ニも相成候と奉存候、何
分ニ茂御勘得被成下偏奉願候 以上
日名村
量作
弘化四未年四月十七日
小林唯蔵様
御内
塩 水油 蠟燭 篠巻 志ぼり類 大物類 穀類 鍋 鎌
釘類 せ戸物類 笠
右ハ差掛り不自由之品々御座候
紙類 葉煙草 麻 才美 刻煙草 畳品
右は当村并隣村産物之品々御座候
一蕎麦 一帒 中山新田村
光輝院
一三十弐銅 上巳と申 笹□
北沢国重
一大根 同村
笠井和市
一♠壱束 善光寺江戸屋
使 半兵衛
外壱人
右は市之丞・順治・同人子壱人〆三人死失と申
御普請役
御勘定役
右犀川筋并山崩之場為御見分被成御越候ニ付公事方同心白
沢幸左衛門増付壱人参り中山新田村休場所へ
茶碗上十 同中弐十 大瓶四ツ
大薬鑵二ツ 茶台四ツ 茶
懸り草川吉右衛門殿・成本治之助殿
池田良右衛門殿
赤田村
久右衛門
一大豆弐拾表
右は御救方江差上之分慥受取候重而本切手引替可申候 以
上
弘化四未年四月十七日 小林唯蔵