地震史料集テキストデータベース

[未校訂]大地震損亡変事申上之事
乍恐奉申上御事
一昨五日申刻大地震ニ付損亡并変事等之儀有之候得共申上候
様ニとの御儀ニ御座候ニ付左ニ奉申上候
右は七番浜蔵夫々倒掛ケ申候、右浜より南手土手筋同拾
番浜迄土手所々立割抔ニ相見へ申候、西手四番浜より壱
番浜迄右同断疼相見へ申候、尤場所ニ寄割口幅五寸位明
キ候所も御座候、相生橋東橋台崩れ橋落申候、其外東西
ハ新浜共疼抔ニ相見へ申候、其余岡手別ニ相替り候儀唯
今迄相見へ不申候、此段宜被仰上可被下候　以上
嘉永七寅十一月六日卯之刻
半五郎
藤十郎大庄屋所へ持参
口津組大庄屋代
小野弥太郎殿
前田庄三郎殿
地震の様子記載
半五郎西条へ二日出勤致候処四日五ツ時大地震、四日夕方帰
ル、五日七ツ時黒しま升屋へ罷越候処七ツ時亦々厳敷動乱致
候ニ付直様帰りかけ候処相生橋落居申ニ付岡手へ廻ル（リカ）帰ル内
より人参りかけ共ニ帰ル、其夜六ツ半頃より亦々大地震一
度、其後十六七へん、七日九へん昼夜ゆり申候、八日三四へ
んゆり申候、九日先治りニ相成申候、都合五日之間ゆり申
候、老人儀も存不申大変之儀ニ被申候、八日黒しま見廻り岡
手とも、九日右同断
乍恐奉申上御事
大地震調之事
一去ル五日大地震ニ付損亡等無之哉相調申上候様ニとの御儀
ニ付六日委細奉申上候処其後難相止候ニ付てハ亦々疼等出
来候ハ、申上候様との御事ニ付浜内岡手共相調候得共別ニ
疼等ハ無御座候間此段被仰上可被下候　以上
嘉永七年寅十一月
半五郎
小野弥太郎殿
前田庄三郎殿
大地震ニ付損亡仕写し　但ミ（ママ）多喜浜一同差出候内多喜浜分
自分普請
一当九番浜土手樋切垣弐間ニ壱間崩ル土手馬乗リ拾三間程竪ニ割れ
右同断
一同八番浜地場手前長拾弐間幅弐拾間水吹出シ土地下リ土手馬乗リ三拾間割れ
右同断
一同七番浜樋之上四間ニ壱間石垣崩れ土手馬乗リ弐拾五間並ニ塩蔵東へなひき
惣浜普請
一相生橋台東石垣高三間幅壱間半崩れ橋落申候
自分普請
一当四番浜樋之上より同弐番浜蔵台迄馬乗り百五拾間ほとな
びき
右同断
一同弐番浜樋之前　壱間石垣崩れ申候
右之通十一月十一日大庄屋所指出ス
相生橋台普請ニ付道科銀御下ケ願
乍恐奉願上御事
一多喜浜中川へ掛居候相生橋先達之地震ニ東手橋台相崩候ニ
付先頃より普請ニ取掛り居申候、右入用凡七百五拾目程相
掛り申候ゆへ是迄集候堤欠過料銀御償被為　成下候様仕度
奉存候、左候ハゝ□る分ハ浜方ニて相弁可申候間何卒願之
通被為仰付被下候ハゝ難有仕合ニ奉存候、此段奉願上候
嘉永七年寅十二月
多喜浜惣代
玄蔵
兵吉
長市
周右衛門
（略）
多喜浜御役所