地震史料集テキストデータベース
[未校訂]（表紙）
「差上申御請書之事 長井村
安政二年三月」
一居宅壱ケ所
梁間弐間
桁行三間半
惣瓦葺
高弐升九合
長右衛門家
仮名仁左衛門書上
家内弐人暮
右建家当月五日七ツ時頃ニ震倒申候皆潰分尤怪家（我）人無御座
候
一居宅壱ヶ所
梁間弐間
桁行四間
惣瓦葺
高五斗四升弐合
宇八
家内五人暮
右建家惣瓦葺北西裏倒壁離落し、惣体壱尺余四方ゟ突張ニ
而倒レ不申候得共、住家出来不申小家住居ニ御座候
一居宅壱ヶ所
梁間壱間半
桁行三間半
藁葺
高九斗五升五合
伝蔵後家 たつ
家内壱人暮
右建家惣藁葺片妻裏倒壁落惣体八程邪メ、突張ニ而為持居
候得共、住居出来不申小家住居ニ御座候
一居宅壱ヶ所
梁間弐間
桁行四間
惣瓦葺
高弐斗四升五合
友八
姉きよ居宅家内五人暮
右建家惣瓦葺四方壁落し住居難出来、小家住居ニ御座候
一居宅壱ヶ所
梁間弐間半
桁行四間
藁葺
高壱斗八升五合
吉兵衛後家さよ
家家内三人暮
右建家惣藁葺一体壱尺弐三寸邪、住居不申出来、小家住居
御座候
一居宅壱ヶ所
梁間弐間
桁行四間
瓦葺
高八斗九升六合
宇右衛門仮名
家内三人暮清兵衛後家
右建家惣瓦葺三方庇落込、住居不申出来、小家住居御座候
一居宅壱ケ所
梁間弐間半
桁行四間半
瓦葺
高五石八斗五升
与右衛門
家内五人暮
右建家惣瓦葺東北妻ヲ不残壁落込申候
一納屋壱ヶ所
梁間壱間半
桁行弐間半
藁葺
高壱石三斗五合
甚右衛門
家内三人暮
右納屋惣藁葺四方壁落込申候
一納屋壱ヶ所
梁間壱間半
桁行四間半
瓦葺
高八斗五升弐合
次郎左衛門
家内七人暮
右納屋惣瓦葺裏側四間半壁落惣離ニ相成、突張ニ為持居候
一納屋壱ケ所
梁間壱間半
桁行弐間半
高六石五斗八升弐合
善次郎
家内七人暮
右納屋惣瓦葺惣体壱尺五寸余邪、突張為持ニ御座候
一納（ママ）壱ヶ所
梁間壱間半
桁行四間
瓦葺 同人
右納屋惣瓦葺前同断ニ御座候
一蔵壱ケ所
梁間弐間
桁行弐間
瓦葺 同人
右蔵惣瓦葺東南方ニ而弐間壁落申候
一居宅壱ヶ所
梁間弐間
桁行四間半
藁葺
高八斗八升弐合
六左衛門
家内弐人暮
右居宅藁葺壁落惣体八寸程邪、戸障子不残動キ不申、四方
ゟ突張ニ而為持居候
一居宅壱ヶ所
梁間弐間
桁行三間半
惣瓦葺
高壱斗三升五合
藤蔵後（ママ）満つ
家内弐人暮
右建家惣瓦葺三方壁落、突張ニ而持セ居候
一心福寺本堂五間四面惣瓦葺
右本堂天井落込、祖師之仏体并ニ仏具類等微塵ニ砕申候、
尤内陣ニ鎮座御座候阿（弥）陀勢至観音之三尊は別条無御座候、
右ニ付屋根瓦下り落チ柱毎ニ居ヱ石ト弐三寸ツゝ齟齬いた
し壁妻ヲ柱際ニ而離し惣突張ニ而為持候得共一体壱尺余邪
相見ヱ申候、住持ハ庫裏ニ而本尊看護仕居候
（
注、同家蔵「大地震荒所御見分ニ付書上写帳」は同内
容につき省略
）
差上申御請書之事
潰家九拾九軒
痛家弐百九拾五軒
一金四百九拾両也
内金百八拾九両
但潰家九拾九軒壱軒ニ付御手当金弐両宛
是は潰家ニ相成木品悉打損修覆難出来家作新規建直候分
金弐百九拾弐両
但痛家弐百九拾五軒壱軒ニ付御手当金壱両宛
是は痛家ニ相成木品組替建直候分
右は当村元儀去寅十一月四日ゟ地震ニ而潰家・痛家等出来仕
候ニ付、何れも空地江仮小家被建相凌罷在者若（老カ）は不申（ママ、及ぬけか）血気之
もの共ニ而も日々度々之震動ニ而驚脚（ママ）仕、耕作手稼等も自ラ
相怠空敷其日送り候而已ニ而、数日同様之儀ニ付当日之夫食
ニ茂差支及飢渇候間、組合亦は身元有之親類共ゟ厚世話致し
呉候得共、寒初之時分仮小家住居ニ付雨露難凌病人等追々出
来仕候へ共、村役人始一分（ママ）之儀ニ当惑罷在候時合、於此上自
余之家作手当等迄は助合兼難渋仕候ニ付、御救之儀再応奉歎
願候処、御役人様為御見分御出役之上村々之様子巨細ニ御取
調被成候処、場所ニ寄田畑又は堤等裂割、地中ゟ泥水吹出候
跡等有之、潰家之分は木品悉折損、別而瓦葺之分損強痛家之
分も是又柱等悉捻割建物惣体ニ相傾キ住居難相成、且又小破
之分迚茂家毎壁落建具之類相損候ニ付、何連茂空地仮小家取
建相凌罷在難渋之段相違無御座候ニ付、家作料御手当被下之
儀江戸表江被 仰上被下候処、御時節柄容易ニ御手当等被成
下候筋ニは無御座候得共、出格之御仁恵を以今般書面之通家
作料御手当金被下置候旨従 江戸表御下知之趣被 仰渡、御
金頂載仕一同冥加至極難有仕合奉存候、依之御請書差上申処
如件
川口
御役所
前書被 仰渡之趣私共一同承知仕冥加至極難有仕合奉存候、
右格別之御仁恵を以御手当金被下置候義ニ付親類組合村役人
共儀も厚相心得、兼而取替金等有之候共右手当金引落為致返
済候様之儀決而不仕、早速家作取建住居相成候様厚世話可遣
致旨別段被 仰渡、一同承知奉畏候 以上
右村々 庄屋
菱木村
潰家弐拾軒
痛家四拾六軒
原田村
潰家弐軒
痛家弐軒
南出村
潰家弐軒
痛家四軒
長承寺村 痛家四軒 土生村
潰家壱軒
痛家四軒
富木村 痛家六軒 新家村
潰家壱軒
痛家壱軒
上村 痛家壱軒 舞村 痛家弐軒
王子村 痛家四軒 尾井村
潰家壱軒
痛家三軒
富秋村 痛家弐軒 中村 痛家四軒
千原村
潰家弐軒
痛家四軒
太村 潰家壱軒
森村 痛家八軒 北曾根村 痛家四軒
南曾根村 痛家壱軒 二田村 痛家三軒
池浦村 痛家五軒 辻村 痛家壱軒
長井村
潰家五軒
痛家三軒
虫取村 潰家五軒
宮村 痛家弐軒 忠岡村
潰家拾五軒
痛家拾壱軒
上馬瀬村 痛家壱軒 下馬瀬村 痛家三軒
小田村 痛家三軒 南王子村
潰家弐軒
痛家五軒
黒鳥村 痛家四軒 府中村
潰家弐軒
痛家四軒
観音寺村 痛家拾軒 寺門村 痛家壱軒
今福村 痛家弐軒 箕形村
潰家壱軒
痛家四軒
桑原村 痛家六軒 寺田村
潰家四軒
痛家七軒
今在家村
潰家壱軒
痛家弐軒
坂本村
潰家三軒
痛家七軒
池田下村
潰家三軒
痛家七軒
浦田村
潰家拾三軒
痛ミ十八軒
一カ町村
潰家弐十三軒
痛家拾六軒
安政弐卯年三月
泉州大鳥郡
菱木村
外六ケ村
同州泉郡
上村
外三拾五ケ村
御金頂戴仕候分
惣連印
年寄
惣連印
川口
御役所
〆潰家九拾九軒
此金百九拾八両
痛家弐百九拾弐軒
此金弐百九拾弐両
合四百九拾両
安政大地震長井村被害状況
安政二年
去寅年十一月四日五日地震ニ付潰家并ニ痛家江下置候覚
一金九両
代六百拾弐匁 匁ニ六八
内
五拾壱匁 一藤蔵
五拾壱匁 一伝蔵
五拾壱匁 二吉兵衛
五拾壱匁 二きよ
五拾壱匁 一浜蔵
五拾壱匁 長右衛門
五拾壱匁 二仁右衛門
〆三百五拾七匁
又
五拾弐匁四歩八り
金壱両ニ付五匁八分
□御礼入用
拾八匁
大坂行代人六人行三
匁ツゝ
弐拾七匁
御見分之節組頭□人
五匁□□□
七匁 庄屋壱人上勤料
七匁 川口木や□代七人分
〆百拾壱匁四歩八り
二口
合四百六拾八匁四歩八り
百四拾三匁五歩弐厘
内九拾匁壱歩九厘 清兵衛家かり
五拾三匁三歩三厘 長右衛門家かり
長右衛門家
一四拾弐匁五歩
大津助郷
拾七工代
一弐拾八匁三歩七厘
大新払
作料代
一六匁七歩
井畑
板壱□代
一拾壱匁八歩六厘
小間平
釘竹代
一八匁四歩
大工六工
□代
一四匁五歩 縄五貫目代
一弐匁 古戸壱枚
〆百四匁三歩三厘
内五拾壱匁 下ケ金
五拾三匁三歩三厘 下ケ金有間かり
きよ家
一三拾弐匁五分
大津助郷
拾三工代
一弐匁三歩
小間平
釘代
〆三拾四匁八歩
□拾六匁弐分 過文蔵預リ
清兵衛家
一五拾四匁
大津手たい
助郷払
一四匁五歩 繩五貫目
一五匁八歩 わら代
一六拾匁三歩
作料共
□代□
一九拾六匁九歩
大津大伝
木代
一三拾壱匁壱歩弐厘
小間平
釘竹代
〆弐百五拾弐匁六歩六厘
内五拾壱匁
□
□
百拾壱匁四歩
夫□
□
九拾匁壱歩
過銀
かり