地震史料集テキストデータベース
[未校訂]S57・3・30 立川市教育委員会
四日
△今日四ツ時頃大地震四十弐ケ年来覚なし夫ゟゆり返し之
小地震昼之内八九返夜中明朝江かけ十四五返也
十一月七日
快晴見世作事ハ早々可取掛事ニ相談午後ゟ冨田小室相残し
其外一同退散夕刻帰宅也
△去ル四日地震之事御府内茂所々家根瓦等を落し余ほと之
ふるひのよし読売出ル別而甲府御城所々崩れ市中不残ゆ
り潰し沼津御城市中信州飯田同断都而甲信駿州辺迄大震
ひ人馬も損し候よし之評判当最寄も小仏峠向迄ハ人家余
ほと潰れ候趣也
十二日 晴
（中略）
△此度之地震ニ付豆州下田湊大津波ニ而民家あらまし引去
れ候所江戸ゟ此節御出張御役人様方ハ御旅宿寺院ニ而弐
里余引隠ニ付先知いたし山上江引取御無難異船茂前知船
を沖中江乗出し無難との評判其外奥州すしも大地震との
評判也
十三日
△馬喰町ちゝ清代八十八ゟ来状写十一月八日附之状也
柏木様ハ長崎表御用済当月八日韮山着十二三日頃御帰府之
積御用状到来之所当月四日大地震に付豆州下田湊大津浪に
て人家不残被押流異船応接御用としてかの地御出張之為在
候御勘定奉行川路左衛門尉様御勘定吟味役中村為弥様十人
目附松本十郎兵衛様御留役菊地大介様其外御勘定方御普請
役衆御詰合之内川路様松本様は御無難其余御役人様方は行
方不相知趣之風説有之本所御代官様は六日昼頃ゟ俄ニ御登
城ニ而下田表防方御用被仰付翌七日明八ツ半時御出立下田
江御出張相成東海道三島宿を始原吉原迄地震ニ付大火ニ而
皆焼失駿州大宮町辺は悉く潰家ニ相成沼津之御城茂皆潰之
趣尤韮山表ゟ之御用状之様子ニ而も駿豆州は別而之大地震
之由ニ有之然ル所異国船而已平日之通無難ニ而国地之船は
御用船押送り船式大船ニ至迄下田湊ニ有之分不残被巻込候
よしニ而一切相見江不申既ニ四日大地震之三日已前異人方
ゟ三四日之内天災有之様子に付用心可仕と之御届下田御奉
行迄達シ有之之所右之通四日朝之大変ニ而下田湊は大騒動
に付御代官様ニもいつ頃御帰府相成候哉難計猶変事有之候
ハゝ可申上御心得之ため荒増如此○右之外ニも風評種々有
之内東海道廿五ケ宿清水は焼失いたし飛脚問屋京屋島屋之
荷物計も五拾駄余失ひ候趣也
廿日 快晴
△大坂表書状十八日頃やう〳〵着候所同所并志州鳥羽湊等
殊之外大地震ゟ津波ニ而人屋夥敷損し中国ゟ四国九州筋
ハ未相知候得共日本過半之荒之よし評判也
十二月五日 快晴
△上方筋地震津波追々評判高く東海道筋宿々不残多少損シ
焼失等別而伊豆下田新居宿前後大坂表大荒四国九州も同
断之由也
（安政二年正月）
十七日
［ ］波之次第阿州徳島四□通崩れ後出火七八分焼同小櫛山不残崩［ ］
［］浦［］［］大津波ニ而［］通流失阿州地崩津波大坂同様土佐伊
予讃州［ ］相［ ］兼候豊前小倉四日地震又七日四ツ時大地
震二度城下大損じ七八分崩れ
同中津右同様少々軽し肥前肥後［ ］同様筑前筑後［ ］大荒長崎大
波の□委敷□尓今不訳淡州須本阿州同様播州路明石寺家加
古川大坂同様大地震備前備中備後津波大荒に御座候出火なし地震かろし長州路
儀至而軽し豊州津波儀は尓今不相分大地震ニてあれ鶴崎
四百八拾余□軒崩死人三百人程別府三百軒計崩レ死人弐百人計府内三百五拾余軒崩三百人程死人右ケ所之
外格別之儀無御座候大坂昨日調死人左ニ
千七百八拾人計内弐百人は死骸なし舟数破舟流失□しとも
九百六拾八そう瀬戸舟屋形船ハ別段
八王子市史附編（大悲願寺過去帳―大悲願寺文書）〕S43・1・25 八王子
市史編纂委員会
嘉永七年十一月四日 辰ノ半刻大地震、諸国大荒三十三ケ国
同刻震動、浜辺ハ皆綱波ニ而大荒、伊豆下田大阪辺余程、天
保山クヅレ、人三千人余死亡、下田千軒余、大綱波五丈程、
綱波引込候、大変之大災ニ候
（粟沢汶右衛門源定静一代記―粟沢豊一家文書）
嘉永七年十一月四日 巳ノ上刻より荒井宿辺迄宿々家潰れ或
は津波等にて人家多分損じ、往来五、六日は留り候由、伊豆
下田辺は地震と津波にて人家多分海へ引込候由及承候、追て
承り候へば殊の外に大変と人々噂致し候