地震史料集テキストデータベース
[未校訂]（御用留 新田組）
阿部伊勢守様御渡御書付写
此度江戸表地震出火ニ付、材木其外之諸色商人共より在方江
注文申遣候ハゝ元直段成丈ケ下直ニ売出運賃等決而引上申間
敷候、若無謂高直致候者於有之ハ可為曲事者也
右之趣御料は御代官、私領は領主地頭ゟ不洩様可被相触候
右之趣可被相触候
十月
書状を以得御意候、時分柄寒気ニ相成候得共各々様ニハ被遊
御勤役大慶至極ニ奉存候然は其御村方圦樋伏替出来配帳并修
覆出来形帳、一同明九日朝六ツ半時神浦旅宿江差出し候様御
掛様ゟ被仰付候、右刻限無間違御差出し可被下候様奉頼上候、
委細其節談事可申候 以上
卯十一月八日夜 神浦詰 惣代
□圦分小文間 状持
谷田圦分谷田村
（
六十四文
六十四文
五郎左衛門
岡旅所迄
斎藤雄之丞様
自布川村
宮本悦郎左衛門
和田源太郎様
御用
早々可相届候 以上 小文間村酒詰村ゟ
十一月九日夜
右御用状布川村ゟ請取酒詰村へ送り申候
百廿四文
小吉
（注、以下、村々継送り控、省略）
（大地震ニ而普請所破損其他潰家等取調差出ニ付廻状）
以添書得御意候、然は此間中は大地震ニ而何方茂御同意奉驚
入候、承り候得は各々様方御無事ニ罷在由大慶至極ニ奉存
候、扨惣代衆ゟ御普請所自普請所破損、其外潰家等之義、取
調可差出旨御掛り様ゟ被仰渡候趣被差越候得は、何れ御相談
之上書面差上度候間、明十二日早朝戸田井義兵衛様宅迄御入
来被下候様奉願上候余は拝願之上緩々可申述候 頓首
十月十一日
月番
久右衛門
組々
御役人衆中
（大地震御普請所に付御拝借願）
乍恐以書付奉願上候
一当御知行所下総国相馬郡小文間村名主久右衛門奉申上候、
去十月中大地震ニ而戸田井・中谷津両圦滅潰ルニ相成、替
新規伏替被仰付、其外堤通滅割崩所多分出来、長七拾間余
松葉羽口ニ相成、右両圦其外御普請所数ケ所有之、殊ニ近
年御材木諸色高直ニ付、岡堰築留諸色賃代御下金江当領中
三拾弐ケ村ゟ金弐百拾両増金仕候程之義ニ付、圦樋御材木
右ニ順シ尺〆壱本ニ付永五百文増ニ領中取究ニ相成、尤（ママ）我
共方ニ而茂領中地震村々江数度集会仕、立会人相立、右両
圦数ケ所御普請所正路ニ相仕立疑惑為無之立会人相立、議
定取究候得共、御材木諸色買入代金は地□我等方江任被
置、無拠引受候得共、大金故旧冬打金ニも差支難渋仕、勿
論御場所之義は御支配村役人私方持場ニ候得は、御合縮村
役人ニ而は外持場も有之、出金勿論世話方等も別而不仕、
右両圦御材木諸色方之義は御支配与頭儀兵衛忰運平方ニ而
引受仕候、左候得共親子之事故何れニも可取斗、私方ニ而
は旧冬出金不仕候而は難相済必至と難渋仕候故
当御地頭所様ニ而も地震旁御物入多所察居候得共、無余儀
今般御拝借奉申上候、何卒以 御慈悲金拾五両御材木代金
御下金ニ相成候迄御拝借被 仰付被成下候様奉願上候
右御願之通御聞済被成下置候ハゝ御広太之御仁恵と偏難有
仕合奉存候 以上
安政二卯年十二月
名主
久右衛門㊞
前書之通相違無御座候間、実以難渋仕候ニ付以連印奉申上
候 以上
与頭
五左衛門㊞
〃
四郎兵衛㊞
百姓代
茂右衛門㊞
〃
庄左衛門㊞
御地頭所様
御役人中様
（相渡申頼証文之事）
相渡申頼証文之事
一御普請所ケ所〳〵共関東筋稀成大地震ニ而、悉ク及大破、
殊ニ御普請所大場之取扱方猶又圦樋伏替之義別而入念伏方
不仕候而は一同安心不仕候間、右ニ付数度集評之上貴殿方
江御普請所其向々江日々立会呉候様達而相頼申入候処、御
延引被成候得共押而御頼申入候処、御承知被成下是亦忝存
候、就而は地元村役人貴殿方ゟ被申聞候義は、来ル辰春御
普請所圦樋伏方之義別而入念干根ば土を以築堅メ等は勿
論、両袖箱脇築堅申、蓋江釘打立之節ハ大切成御場所ニ御
座候間、地窪村之御田地銘々相続方ニ相抱り候義ニ付、伏
方築堅メ勘要之時節ハ其向々ゟ御触当次第村々宰領付ニ而
供々入念伏方可仕候、万一川通出水之節天災ニ而危難等有
之候節疑惑無之様銘々出精可仕候、□ハ立会日〆差引帳相
仕立置、万端正路御取斗□被成下候様返々茂頼入申候、万
一御普請所御目論見ニ而人足遣立御普請出来栄後過未進取
調可申候筈取究、頼一札連印仕相渡申置候処如件
安政二卯年十二月
大留村
百姓代
市郎兵衛㊞
名主
吉兵衛㊞
高須村
百姓代
兵右衛門㊞
名主
七兵衛㊞
押切村
〃
清左衛門㊞
〃
松左衛門㊞
平野村
〃
惣兵衛㊞
〃
平兵衛㊞
宮和田村
〃
五郎兵衛㊞
問屋
源右衛門㊞
片町村
〃
伝右衛門㊞
〃
清左衛門㊞
藤代村
〃
□（名前欠）
〃
□（名前欠）
谷中村
〃
与兵衛㊞
〃
次左衛門㊞
小浮気村
〃
佐五右衛門㊞
〃
源五兵衛㊞
米田村
〃
三郎次㊞
〃
覚左衛門㊞
中谷原村
〃
藤右衛門㊞
〃
熊蔵㊞
〃
安右衛門㊞
酒詰村
百姓代
勘右衛門㊞
名主
半蔵㊞
渋沼村
〃
重右衛門㊞
〃
嘉兵衛㊞
百井戸村
〃
市兵衛㊞
〃
惣左衛門㊞
小泉村
〃
三郎兵衛㊞
〃
五郎右衛門㊞
長兵衛新田
〃
惣兵衛㊞
〃
長兵衛㊞
吉田村
〃
四郎兵衛㊞
〃
四平㊞
青柳村
〃
貫兵衛㊞
〃
玄重郎㊞
高須村
立会人
酒詰村
〃名主
半蔵殿
宮和田新田
〃
孝之助殿
中谷原村
〃
熊蔵殿
〃
安右衛門殿
米田村
〃
覚左衛門殿
小浮気村
源五兵衛殿
渋沼村
嘉兵衛殿
谷中村
次左衛門殿
（議定一札之事）
議定一札之事
一来ル巳春岡堰御普請、并組合堤ニ罷在候樋類共御伏替相
願、右場御普請相成候ニ付、立会人見立為立会御普請仕立
可相成処、組合存筋ニ相成候様被成度様惣代衆中ゟ被御申
聞奉存候、右ニ付候而は不案内之者見立相頼差出候而は御
用弁ニも不相成、見立候詮も無之間、依而は酒詰村治左衛
門殿儀は先年御改正被仰出候節、組合御普請筋諸向改革仕
法相立、其後引続年来立会御用被仰付相勤呉種々百姓為筋
ニ相成候得共、御普請筋之儀は篤と御弁被成居候御人ニ
付、尚又先年之通り御同人江相頼申度一同相談決着仕候、
尤同人義先年と違御地頭所附地代官御役御勤罷在候義ニ
付、早速御承知被下候義も難斗候得共、組合為筋ニ相成候
儀ニ付押而も御頼申度儀ニ付、乍去一同挙而罷出御頼候儀
も不相成次第ニ付、組合村々惣代として各方江御頼申候間、
万事御取斗是非共御用人御頼御普請仕立方立会は不及申、
先年之通万事宜敷様御取斗相頼申度奉存候、左之通度々私
共連印ヲ以御頼申候、尤右一条ニ付御取斗ニ不相成候儀も
有之、相談有御座候節ハ、連名之私共御沙汰次第早速罷出
御談シ仕、御差支ハ勿論聊御苦難相掛ケ申間敷候、依而組
合高持并百姓代一同連印議定以而如件
高持百姓
百姓代
組頭
名主
村々
連印
安政三辰年十月