地震史料集テキストデータベース
[未校訂]同廿三日 晴天
一今日四ツ半時過地震
一同刻引続地震
一同九ツ時大地震、半時斗之間不止おひただしくゆり、
市中土蔵之数不残壁落、門柱抔折、大ニそしとし也、
同心丁御同心長助之家潰れ、熊之林ても壱軒潰、大屋
小左衛門之土蔵、隣の大和屋源右衛門之蔵江転び、源
右衛門之蔵両側壁不残落、塩田屋善左衛門酒屋之土蔵、
四ツ五ツ壁落候内、妙光寺道通用不相成程落、其外諸々
の痛可申様無之、手前之土蔵も壁大ニ損し、但人馬ニ
は怪（ママ）俄無之候
一今日大地震後、九ツ時ゟ暮頃迄大小之地震五六度、何
れも無油断火之用心致し、戸板之上江振り居候事、夜
ニ入三度地震、多分外江出居不分残者多し
七月廿四日 晴天 昼之内度々地震、夜ニ入候迄ニ七八
度、町方之者白子山江小屋懸致し、住居候事
同廿五日 晴天 前同断、昼夜ニ十度余地震、夜明頃ニ
至一時之内ニ五六度引続地震
同廿六日 晴天
一今朝五ツ時大地震、昼之内夜ニ入候上ハ十度余地震
一五戸通之様子承候所、殊之外損じ土蔵之分不残大破之
由、川原町大ニ損候由、尤銘々家具等仕廻、山之上江
引取、家ニハ家主壱人住し留主居ニ而皆山家江引取候
よし
同廿七日 晴天
一朝五ツ時大地震、尤昼夜ニは頓而十度余小地震也、五
戸ニ而ハ前同様大ニ騒（ママ）働致居候ニ付、今日之市日潰候
由
一同廿八日 晴天
一今朝明七ツ時大地震、廿三日ゟは弱く可有之候得共、
大ニ（ママ）働転致し候、夜明昼夜之内も頓而十度余、暮頃ニ
至り少雨ふり
一此間度々大地震ニ付、今晩何も家々残居候者申候へも
無之程、皆外江出候間泊り候事、夜中ニは五六度小地
震
同廿九日 晴天 昼頃ゟ大雷雨
一今日は小地震四五度
八月朔日 雨天 雲天ニなり
一今日も小地震六七度
同二日 雲天 昼頃ゟ雨天ニなり、頓而小地震四五度
同三日 晴天
一及暮雨ふり、頓而小地しん四五度
同四日 雨天 及暮洪水、水二尺余出る 小地震四五度
同五日 雨天 晴天ニ成
同六日 快晴
一去月廿三日大地震、御国中之内宮古、大槌、野田、五
戸、七戸、野辺地、田名部、八戸大地震、津波ニ而大
ニ損有之由、実ニ江戸之大地震ゟは津波抔は格別之よ
し、尤十九日ゟ昨五日迄十六日之間昼夜ゆり候事、前
代未聞と言つべし