地震史料集テキストデータベース
[未校訂]（天保四年地震の村上方面記録（断片））
天保四年年中筆記（抄） 豊島禎義
十月廿六日 雨 地震津波
一焼場辺りより瀬波へ投網にまかり、うぐい六十二、
山だい廿八、はぜ十二、鮒十一、あめ鱒一本、九つ
半時ころ帰る。
一右うぐい廿、あめ鱒佐市方へ贈る。
一津波騒ぎの事
一七つ時地震の事
十月廿七日 雨 小地震
（以上は大滝新蔵氏所蔵「豊島筆記」よりの転写）と
あり、筆記帳の最後の頁にも「十月地震川津波」の文字
があります。豊島禎義は村上の人、豊島停雲画伯の実父
と思われます。
また瀬波町に伝はる口碑には、現存横田喜三郎氏の曽
祖父にはんみようと呼ばれた気丈の者があり、当日瀬波
洲崎へ、鮭突きに出かけたところ、此日は殊の他によく
捕れ七尾突上げたところ急に津波が来て、気がついた時
は、七尾の鮭を抱えたまま、寺又川へ押し流され大龍寺
裏の垣根につかまつていたと云うのがあります。（会員波
済健氏寄稿）
（新潟地震の江戸時代版―新発田藩の諸記録による―）
資料② 天保四巳年御留守御在城行事（既出に付略）
資料③ 天保四年時々申渡書留帳 郡方
一十一月地震変事御手宛左之通組々詰掛名主江相達候事
覚
一壱貫五百文つゝ 五十公野組
但潰家ニ相成候ニ付 内嶋見村
伝助
下興野
助右衛門
〆
一右同断 蒲原横越組
但右同断 山ノ下新田
宇之助
本所村
久米七
〆
一右同断 沼垂町
但右同断 仁助
十助
与兵衛
五郎助
久蔵
勝右衛門
市三郎
稲荷門前
与助
〆
一壱貫五百文ツゝ 赤渋組
但潰家ニ相成候ニ付被中高井
下置 権兵衛
西笠巻村
作助
天野新田
半七
古川
松次郎
〆
一右同断 松ケ崎浜
但地震ニ而大破致候処当三日大 喜与八
風ニ而潰家ニ相成候ニ付右同断 与六
長蔵
九郎左衛門
与次右衛門
〆
一七百五拾文宛 沼垂町
但半潰家ニ相成候ニ付被下置 豊八
要八
重五郎
岩蔵
儀助
利七
要吉
勘六
助次郎
助七
久右衛門
善次郎
作助
〆
一右同断 蒲原横越組
但右同断 山之下新田
太之助
津嶋屋村
権右衛門
佐右衛門
佐次兵衛
角之丞
藤七
勘兵衛
権作
〆
一七百五拾文 松ケ崎浜
但半潰家ニ相成候付被 下山
下置 平七
和右衛門
七左衛門
〆
一右同断 赤渋組
但右同断 神屋
万七
〆
一右同断 松ケ崎浜
但右同断 伝蔵
伊八
善六
三右衛門
〆
一五百文宛 同浜
但溺死人 下山
七左衛門
久米七家内入
竹次郎悴
南左衛門
門六家内入
藤五郎悴
藤松
〆
一同 河渡村
但右同断 興助悴
文蔵
一同 網代浜
但右同断 仙之助家内入
善松