地震史料集テキストデータベース

[未校訂]十月（宝永四年）分
寺中ニ夜ル加番三人
一四日　晴天　鳴物普請等停止之触寺中村中へ申付候家千
代様御悔ニ清浄院御番所へ行、八ツ時分大地震、南都七
大寺同事ニ大破、興福寺金堂西之□ワ十四ウ、一時滅
ス、西大寺灌頂院護摩堂破滅并門クツルゝ、竜地院門同
時ニクツルゝ、寺中所々大破、下ノ池提（ママ）十五六間イサ
ル、在家之家も不残大破、御番所ゟ御見分在之石燈籠モ
不残コケ申候四日八ツヨリ昼夜地震不上、法華寺塔破滅
ス、昼夜ニ十五六度、内三度斗大地震有之
一五日　晴天　地震ナリヤマス、方々諸職人等出入之者共
見廻ニ出ル、招提寺ゟ使僧有之、昼夜ニ大地震三度、小
地震十二三度、一之室法華寺御所江見舞、寺中加番三人
一六日　晴天　地震不止、昼夜八九度震ル、法華寺木門之中小番壱人カ
タフキ、一之室大工権十郎・十兵衛・宇兵衛・杢兵衛召
連門ノカタブキ直シニ使シ被申候、西之京ゟ使便来ル、
□ムシ御輪八ツ足門惣廊崩るゝ、人歩無人ヤトヒニ来ル、唐
♠見舞被下、吉輪寺ゟ使僧来ル
一七日　晴天　六七度地震、石燈呂（ママ）石塔違候
一八日　晴天　大地震ニ付川普請極楽院不退寺見舞被下
一九日　晴天　地震昼夜六七度及、一之室清浄院大慈院郡
山へ行、郡山町中数間家崩るゝ、町寺之大寺二三間も滅
亡ス、家中城中大破角矢蔵崩るゝ
（中略）
一十二日　晴天　地震、四日ノ第クライ、道明寺惣中東輪
院ゟ地震見舞状到来便リ之状也
一十三日　晴天　（前略）酉刻戌刻亥刻三度地震中位
一十四日　晴天　西宝北ツイジノ屋根ふき明地震
（中略）
一十七日　晴天　無事　地震夜入三度
一十九日　晴天　夜入地震三度
（中略）
一廿三日　晴天　無事　地震三度
一廿四日　晴天　地震昼三四度斗
一廿五日　晴天　地震夜ニ入前二度
（中略）
一廿七日　晴天大　風八幡山のき初、地震一度
（中略）
一廿九日　晴天　無事　地震一度
一晦日　中雨　一之室清浄院西室替リ夜後夜時分大地震メ
イドウス
十一月分
（前略）
一八日　晴天　地震昼夜三度
一九日　晴天　無事　小地震三度
（中略）
一十一日　曇天小風夜ニ入雨降　小地震一度
一十二日　晴天余程風吹、妙厳院帰寺　地震一度
（中略）
一晦日　晴天　無事　地震至晦日迄昼夜二三度宛終ユリヤ
ミ不申候、山ハ毎日夥敷ニトウ〳〵トナリ候
十二月分
（前略）
一十六日　晴天　無事　河州誉田奥院三人ノ衆へ飛脚遣
候、十七日八日ニ上京候様之咄ニ参候、右一札之趣向後
違背不被申候様ニ[□|ムシクヒ]可申候　同所北之坊印
一札之事
一此度大地震故実相院大破仕候ニ付、宝殊院と寺替仕度
義御願申上候処、御衆中御了簡之上御許容被成被下忝
奉存候、宝殊院普請寺中寺役等[□|ムシクヒ]勤申議候、普請明
年中ニ可仕候、若普請延引仕候ハゝ如何様共越度ニ可
被仰付候　其時一言申間敷候
（後略）
宝永五子年
（前略）
一十三日　晴天　地震始而有之
一十四日　晴天　内地震有之（略）
（中略）
一廿二日　晴天　風吹、地震ツヨクユリ申候
一廿三日　晴天　法花寺荒神供、夜ニ入地震
（廿六日）
一明七ツ時分ニ地震仕候、半時斗也
（中略）
閏正月分
（中略）
一二日　晴天　朝六ツ前地震有之
（中略）
一七日　晴天　朝五ツ時分地震
一九日　晴天　朝五ツ時分地震
（中略）
一十八日　晴天　八ツ時分地震大震
（中略）
一廿二日　曇天　八ツ時分地震
（中略）
一廿七日　晴天　五ツ時分大地震なり、去□□地震之第ク
ライニて候
（中略）
二月分
一二日　雨天　一之室道中見付行渡リ忠左衛門道中右地震
ニ而大破故道中見付ニテ普請役人ニ可参候趣為見舞可参
候