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項目 内容
ID J0900274
西暦(綱文)
(グレゴリオ暦)
1707/10/28
和暦 宝永四年十月四日
綱文 宝永四年十月四日(一七〇七・一〇・二八)〔東海以西至九州〕
書名 〔金五郎日記歳代覚書〕○愛知県田原町
本文
[未校訂]大地震之事
一宝永四丁亥十月四日昼午ノ中刻(午後一時)大地震ゆすり候事
当九月二十日頃より、雨露之気無之、晴天にて風も不吹
時候不相応のあたゝかさ春三月頃の気色に見え候処に、
四日の日に地震そろ〳〵とゆり出し刻限久しくゆすり、
大方やみ可申と存候時分、大分強くゆり出し、地の下ド
ンドと鳴り出し、天地ザワ〳〵とさわぎ、しばらくの間
大地震仕り、其の内大ゆりの中頃は、老若ともに、少し
の間性なしになり、十方をにらみ申候
此の時、野田村で潰れ申候家数、屋敷、馬屋、せっちん
等迄都合五百八拾軒ころび申候
ころび家村別の事
一今方村 四拾六戸の村
居宅
全潰二拾六軒半潰十三軒馬屋せっちん 全潰三十六軒納屋 半潰二十六軒
一北海道村 四拾五戸の村
居宅
全潰二十二軒半潰五軒馬屋納屋 全潰四十九軒せっちん 半潰四軒
一市場村 四拾九戸の村
居宅
全潰拾五軒半拾二軒馬屋納屋 全二拾軒せっちん 半拾五軒
一保井村 四拾壱戸の村
居宅全拾九軒半拾一軒
馬屋納屋 全三十五軒せっちん 半二十二軒
一東馬草 六拾八戸の村
居宅全三軒半二軒小屋 五軒
一西馬草 四十一戸の村
居宅全二軒半十九軒小屋全十三軒半二十軒
右六ケ村〆居宅百五拾五軒 小屋〆二百四拾五軒
内居宅九拾八軒は、大地へ入込はちびしよげに成り申
候、居宅五十七軒は半ころび、小屋八十七軒半ころびと
なり申候
右の外南方三ケ村(南、彦田、雲明)〆二百二十戸の村
居宅全潰三十六軒半二十四軒計六拾軒
小屋全潰五拾軒半七拾軒計百二拾軒
谷田方、南方、両方合せて都合居宅二百拾五軒
小屋〆三百六拾五軒
右拾月六日に惣家数之書付差上申候処ニ、十一月十日殿
様江戸より田原へ御上着遊ばされ候に付、又々御触状参
り十一月十七日に居宅の分計り書付上ケ申候
田原領内にてハ野田村計り大破損仕候
御領内ニて惣家数小屋共に千四百軒程ころび申候、この内
五百八拾軒野田村也(四割強)
此の度の地震、大分むらゆり有之候、渥美郡の内にては、
赤沢村、田原御城内野田村・赤羽根村・池尻の川筋の村大
破ニ及申候、其の外の村には、ころび家無之候
とかく地震の強くゆする筋は定めてあるやに見へ申候
此の度大破のところは、前々の地震ニも破損等出来申候
地震の時刻昼故、人馬、牛共に、けが一向出来不申侯
海辺にツナミあがり、浜筋のものは不残山へ逃げ申候
高松村などはへいぜいの波打より五丈程高く上り申候てほ
うべ(ママ)底き所は少々打越申候、志州鳥羽は波の高八丈程上り
申候由
田原御城下藤田の二ツ池堤迄汐差し来り、向ハ漆田正楽寺
地内迄、西の方は清谷の橋迄汐さし申候
表浜筋は網舟不残流し申候
六年(一七〇一)以前東路大地震ニて箱根より裏、大分破損
其の内小田原宿ハ不残潰申候、江戸も大破に及申候、往古
慶長七年(一六〇二年)中の頃にも小田原はかり大地震仕候、六年以前
(一七〇一年元禄十四年)十一月二十二日夜八ツ時(夜中二時)の大地震にて町中家数
不残潰申候、手廻りおそきものは、家の下敷となり、つぶ
れ家の内より出火出来不残焼払、人・馬・牛大分焼申候、
その跡ヘツナミ上り不残流れ申候、あわれと申もおろかな
り。この地震を、よその事の様に存居申処、此度十月四日
の大地震六年以前の小田原よりか、尚まさり申候
今年東国の大地震ハ、来年西国の大地震となるものにて候
こと古書に有之候間、各々油断致さるゝな、そのごとくに
六年目に西国方ゆりつぶし申候、六年以前の地震箱根より
西はかるくゆり申候、此の度は箱根より東わずかにゆり申
候、箱根がゆり境と見へ申候
十一月二十三日(地震は十月四日)朝より何んとも知れずドロ
〳〵と鳴り出し、野田村にて聞けば、大久保か田原にて鳴
る様に存候処、駿州冨士山と足高山の間にすばしりと言ふ
所に火穴あき、それより火ゑん吹き上げ申候事冨士山より
三倍の高サに見へ申候、野田村よりも夜は火見へ申侯、
昼は煙はかり見へ申候処、此の火ゑんに土砂まじり、西風
毎日吹、依之東国へ砂降り、冨士より東七ケ国潰れ申候、
江戸も砂の厚サ四、五寸も積り申候
右火穴近所の村里は砂の高サ一丈も積り田地ハ勿論村里つ
ぶれ申候
依之 御公儀様より御救ひとして、日本国中高割金と御名
付候て、本高百石に金二両宛御取立遊ばされ翌宝永五年子
の正月仰付られ二月晦日に村々より差出候
右の砂十一月二十三日より降り出し、十二月九日迄降り続
申候、此の間は、昼中ニも、ちょうちんにて諸用たし申候
出典 新収日本地震史料 第3巻 別巻
ページ 265
備考 本文欄に[未校訂]が付されているものは、史料集を高精度OCRで等でテキスト化した結果であり、研究者による校訂を経ていないテキストです。信頼性の低い史料や記述が含まれている場合があります。
都道府県 愛知
市区町村 田原【参考】歴史的行政区域データセットβ版でみる

版面画像(東京大学地震研究所図書室所蔵)

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