地震史料集テキストデータベース
[未校訂]一同四年亥之十月四日昼八ツ半時（午後三時）、当地大地震仕
（旅籠町伝馬御訴訟始末）
一連尺町之儀、当御城主様御代々御城内にてやね御ふき替
之節、鳥ふき（ママ）之手伝人足出し来、并御茶壺浜松に御泊り
被遊候時、当御城主様より御宰領様方江御ふるまい被成
候時、御徒衆様江御給治（仕）之物出し来是計之役目ニて御地
子御免許町ニ御座候得共、旅籠町家数弐拾七軒にて、肴
町・田町両町之家数多く町と同割之御役勤申候処に、宝
永四丁亥年十月四日に大地震入候ニ付、荒井舟海悪ク成
リ申候間、往来之御衆中様、御大名様方共ニ本坂越被遊
候ニ付、御旅人多ク市野村通り、御用にて御通り被為遊
候御方様は荒井こし、又は是ゟ本坂越被成候ニ付、殊外
伝馬役歩役共ニ賃銭大分多く掛り、其故勝手ニ可成御大
名様方其外御家中様方町人衆まで多ク市野通り、又は当
地ニ御泊りニ御座候而も本坂通り被成候衆は連尺町・伝
馬町あるいハ田町ニも御泊、旅籠町ニは御泊り一円無御
庄候ニ付、至極困窮仕迷惑ニ奉存候ニ付当御城主松平伯
耆守様江度々御願申上候得は、御聞届被為遊候而、金子
銭御米共ニ御拝借被為仰付難有頂戴仕（以下略）
宝永四丁亥（一七〇七）十月四日之昼八ツ時（午後二時）に、当地大地震仕候ニ付、
浜松町中之内に、潰家七拾壱軒有、半潰家弐拾九軒有、大
破損家五拾弐軒有、小破損家四拾八軒有、右之家数都合弐
百軒御座候処に、此家主共江当御城主松平豊後守様より為
御救御米被為下候
覚
一宝永五戊子年正月御米千三百七拾四俵 被為下候御米也
右御米之内
一御米三拾俵 伝馬町杉浦助右衛門殿江被下候
一御米三百俵 往還通潰家弐拾軒江被下候
但シ家壱軒江御米拾五俵宛
一御米五百拾俵 裏町之潰家五拾壱軒江被下候
但シ壱軒江御米拾俵宛
一御米弐百三拾俵 往還通半潰家弐拾三軒江被下候
但シ壱軒江拾俵宛