地震史料集テキストデータベース
[未校訂]元録度大地震並大火
元録十六年未十一月御用覚帳書抜
一元録十六年未十一月十八日丹羽遠江守殿に而御内寄合有
之処、昼九ッ時四ッ谷伊賀町ゟ出火、風烈故大火ニ成
リ、浅布御成芝町車町迄焼失、越前守殿火事場御勤被成
候、土佐守殿も芝筋江御出被成候、火元は絵図役峰屋助
大夫、原善左衛門、仁枝五郎兵衛、吟味仕候得共論有之
不分明候追而可記
元録十六年未十一月御用覚帳書抜
一元録十六年未十一月廿二日夜八ッ半時分より大地震、武
士屋舗并町家土蔵ふり崩、町方崩死寄上趣有之
一元録十六年未十一月廿五日立合御寄合相延、極月六日御
寄合有之筈、但評定所地震ニ付御破損故相延候
覚
一今日御老中御烈座ニ而今日就而火事地震騒敷候間、弥以
火之元入念候様ニ面々支配江も可申付旨被仰渡候、尚又
火之元無油断様可被申付候、同心支配之面々ハ同心共ニ
右之段被申渡候以上
未十一月廿五日
右之趣御組屋舗江早々相触申候
一元録十六年未十二月朔日遠江守殿於御番所臨時之町廻被
仰渡、此方より植竹藤右衛門遠江守殿ゟ藤田着次郎土佐
守殿ゟ三好原兵衛三組より同心六人罷出候、朔日之暁日
本橋ゟ芝筋如来寺門前迄夫より三田町松本町門前町三拾
間堀筋松屋町申付、翌二日木挽町筋築地霊岸島夫ゟ本町
筋川岸通飯田町迄相廻申付場所帳面認ニ番所江御届申達
候
一元録十六年未十一月廿九日夜六ッ時、小石川水戸殿御屋
敷ゟ出火、南風にて本郷谷中上野坊中九間俄ニ北風ニ
成、池之端ゟ鳥越橋本所は廻向院二ッ目筋西は聖堂筋違
橋之間通町表町日本橋東筋より小網町霊岸嶋沖之堀通筋
深川寺町迄焼失、翌朔日五ッ前迄消不申候、此節越前守
殿御出七ッ迄日勤、翌朔日御用番成候故遠江守殿江御引
渡候絵図役は越前守殿ゟ与力四人遠江守殿ゟ両人土佐守
ゟ両人遣之二日絵図出来上候、火事場江御出候故立合絵
図之御相談に而右之通候
元録十六年未十一月御用覚帳書抜
一元録十六年未十一月廿八日、丹羽遠江守殿被仰渡候而暮
六ッ時ゟ罷出候覚
去ル朝大火事其上地震に付町中騒ケ敷、火之元麁末成儀
も可有之間、町中細々相廻怪鋪もの并此間地震ニ付事触
等致候排徊虚説申触し候旨相聞不届候間見当次第左様可
申由町々名主月行事呼出し銘々に右之趣并火之元念ヲ入
候様ニ可申付旨被仰渡、御番所ゟ登浅草三谷迄罷越、翌
廿九日芝大仏迄廻候怪敷もの見当り不申候、被仰渡候趣
名主年行事申付罷帰り剋遠江守殿江も此方江も帳面認御
届申上候、此方勝見源右衛門遠江守殿方ゟ町田十右衛門
土佐守殿方ゟ吉川新兵衛同心三組ゟ六人罷出候
一元録十七年三月三日、土佐守殿被仰渡臨時廻り本郷筋、
天神切通しゟ下谷御数寄屋町、佐久間町、和泉橋、伝馬
町辺廻以後共被仰付候類之もの見当に不申候植竹伝太夫
差替御出候、山本与市郎、中村次郎右衛門同心弐人つゝ
事触其外虚説申候もの捕之候
享保集成御触書之内地震之部書抜以下四の御触之分同断
元録十六未年十一月
今度地震ニ而自分罷在候家潰候面々類火ニ而休候日数之半
分仕可申候以上
元録十六未年十一月
強地震之節は御番所并相詰席ニ明而も不苦之条、向寄之御
庭江無遠慮可相出、此上心得違ニ而座席在之、怪我等仕は
不調法可被思召旨、上意之趣営中在合布衣以上之面々被於
中之間小笠原佐渡守伝之老中列座若年寄中侍座
但此旨諸向江従御目付中相達
元録十六年未年十一月
今度地震火事付而屋敷或破損或焼失之面々普請之儀此節
は、諸職人等可差支之間急ニ仕儀無用縦雖為御成道筋不苦
之条先板囲等申付置勝手次第連々致造作様可相伝之旨大目
付及中之間在合面々江相模守達之
元録十七申年正月
地震之節之覚
一大広間 出御之時、御白書院之御庭江出仕之面々出し申
間敷候、大広間之御庭江可罷出候
一御白書院 出御之節は、御黒書院之御庭江出仕之面々出
し申間敷候、御白書院大広間之御庭江可罷出候
一御黒書院 出御之時は、御黒書院御白書院大広間之御庭
江向寄次第可罷出候
右之通兼而被相心得候、出御以前入後以後は、向寄之御
庭江勝手次第、被出候様可被致候
正月
宝永元申年三月
一旧冬地震ニ付虚説申あるき候もの之儀ニ付、最前茂町中
為相触候処今以不相止、頃日ハ謡狂歌等も作之申触もの
有之由相聞不届ニ候、向後名主家主心掛、左様之もの於
有之は早速捕之月番之番所江可申出、若隠置外より相聞
候ハゞ、名主家主五人組迄可為越度候間此旨急度可申聞
置候
三月
宝永四亥年十月
一今度国之地震ニ付諸色高直ニ仕間敷候末々直段上り可申
哉と考、買置いたすへからす品ニより蔵を改相背もの有
之ハ可為曲事事
一町人共御法度之衣類着致し候様ニ相聞不届候、前々相触
候通守之弥物をかるく可仕候相背におゐてハ人を廻し召
捕詮議之上急度可申付事
十月
元録十六年未十一月廿三日立上帳書抜
一広屋町原八店七郎兵衛申上候私召仕半十郎と申もの夜前
之地震蔵之壁ニ被討相果申候為御届申上候由右之七郎兵
衛家主五人組伝左衛門同意申来候為検使遠江守方ゟ
未十一月廿三日同断書抜
一天徳寺門前名主孫兵衛申上候私支配之内家数十七間夜前
之地震に相崩申候為御届申上候由右之孫兵衛申来候
同断
一本石町弐町目甚左衛門申上候私店と惣右衛門方ニて、今
朝食焼申候処ニ煙出候間近所（騒カ）操申候へ共、火消衆も御出
不被成候、尤軽キ儀ニ御座候得共為御届申上候由、右は
甚右衛門五人組清兵名主伝左衛門同意申来候
軽キ儀ニ候間、検使不遣重而念入弐人と遠江守方可被申
付候
未十一月廿三日同帳書抜
一本石町四町目三左衛門申上候、私店吉兵衛と申もの昨日
致病死候ニ付忰長蔵と申歳四拾五六ニ罷成候もの堀江町
四丁目甚兵衛方ニ致奉公罷在候処、昨日父吉兵衛方江参
罷在候処、夜前地震ニ蔵崩ニ相果申候、為後日申上候由
右之三左衛門五人組市兵衛同意申来候為検使遠江守方ゟ
未十一月廿三日同帳書抜
一源助町名主源左衛門申上候、丁内掛置候源助橋夜前之地
震ニ崩申候得共、往還無別条通申候為御届申上候由申来
候
未十一月廿三日同帳書抜
一甚左衛門町新右衛門店甚兵衛申上候、夜前之地震ニ家
崩、私下女ミつと申拾三才ニ罷成候もの相果申候、御検
使可被下候由有之甚兵衛家主五人組与九右衛同意申来候
為検使
未十一月廿三日同帳書抜行事
一露月町々月行事六兵衛申上候、夜前之地震ニ而町内之上
水ゆれ候と申候為御届申上候由右之もの申来候
未十一月廿三日同断
一鮫ケ橋谷町名主原四郎申上候、私相役名主伝右衛門夜前
之地震ニ土蔵崩、腰を打痛申候、当分御用之節難罷出候
ニ付御届申上之由申来候
未十一月廿三日同断
一右同町質屋源兵衛申上候、去ル十八日之出火ニ方々ゟ取
置候質物品々焼失仕候、為後日申上候由右之源兵衛五人
組八左衛門同意申来候
未十一月廿三日同断
一湯島天神下三組町麴屋三右衛門申上候、夜前之地震ニ糀
室崩召仕市兵衛申歳十四ニ罷成候もの相果申候ニ付、御
検使可被下候旨申上候由右之三右衛門五人組忠兵衛同意
申来候為検使遠江守方ゟ
未十一月廿三日同断
元赤坂町庄次郎申上候、私店与次兵衛と申歳六拾三并同
人忰源助と申廿七歳ニ罷成候もの、昨夜之地震ニて土蔵
ニうたれ相果申候ニ付、御検使可被下候由右之庄次郎五
人組忠右衛門同意申来候ニ付為検使遠江守ゟ
未十一月廿三日同断
一本所入江町鐘楼堂請負勘右衛門長右衛門申上候、夜前之
地震ニ而鐘ゆり落し申候へ共、堂は別条無御座候、為御
届申上候由右之もの共申来候
未十一月廿三日同断
一三拾三間堂守久右衛門申上候、昨夜之地震にて本堂東方
江六七寸程傾申候、為御届申上候由申来候
未十一月廿三日同帳
一宇田川町名主弥兵衛申上候、夜前之地震ニて私所持之五
間口建家壱間、同町五兵衛所持之拾間口家壱間崩申候、
為御届申上候由右之弥兵衛申来候
未十一月廿三日同断
一芝田町八町目久右衛門申上候、私下女さいと申廿二歳、
ゆきと申歳廿七被成候もの、夜前之地震ニ土蔵崩両人共
相果申候処、右之さい兄武州大森村五左衛門ゆき兄同国
非川谷村甚兵衛と申もの両人之死骸請取度旨申候、為御
届申上候由右之久右衛門五人組之吉右衛門長左衛門同意
申来候
右之死骸両人之もの共ニ相渡候様ニ、遠江守方ニ而申
来
未十一月廿三日同断
一大鋸町月行事孫兵衛申上候、夜前之地震ニ而土蔵数十三
崩申候、為御届申上之由右之孫兵衛五人組甚右衛門同意
申来候
未十一月廿三日同断
一西旅籠町平右衛門店六兵衛申上候、私娘いわと申八歳并
姥ゆきと申歳四十罷成候もの夜前之地震には土蔵崩両人
共相果申候ニ付、御検使可被下候旨右之六兵衛家主五人
組与次助同意申来候為検使
未十一月廿三日同断
一元大坂町源兵衛店三左衛門申上候、私召仕市之助と申歳
拾壱ニ罷成候もの夜前之地震ニ而土蔵崩相果申候ニ付、
請人神田久右衛門町弐町目六右衛門店な五左衛門、死骸
請取度旨申候為後日申上候之由右之三左衛家主五人組小
右衛門同意申来候
右之死骸請人ニ渡候様ニ遠江守方にて申付候
未十一月廿三日同断
一芝居町八郎兵衛店伊左衛門申上候、夜前之地震ニ而家
崩、私方伊兵衛与申廿二歳罷成候もの相果申候、為後日
申上候之由右之伊左衛門家主五人組与清兵衛同意申来候
右死骸片付候様遠江守方ニ而申付候
未十一月廿三日同断
一伊勢町四郎兵衛・徳右衛門・利兵衛・忠兵衛申上候、私
共霊岸島四日市町ニ土蔵建置候処夜前之地震ニ崩申候、
為御届申上候之由右之もの共同意申来候
未十一月廿三日同断
一本町三町目想河岸仁兵衛申上候、私土蔵北新堀ニ建置候
処、夜前崩申候、為御届申上候之由右之伊兵衛五人組利
右衛門同意申来候
未十一月廿三日同断
一伊勢町酒問屋仁兵衛、太左衛門、三郎兵衛申上候私共土
蔵夜前之地震ニ而崩申候、為御届申上候由右之もの共同
意申来候
未十一月廿三日同断
一神谷町吉右衛門店仁右衛門申上候、私妻歳四十四、忰千
之助歳九罷成候もの両人共昨夜之地震家崩相果申候、為
後日申上候由右之仁右衛門家主五人組市郎左衛門同意申
来候
右死人怪我ニ無紛と申上検使ニおよび不申旨申之存遠
江守方ニて検使不遣候
未十一月廿三日同断
一伊勢町酒問屋六右衛門、清兵衛、惣兵衛、又兵衛申上候
私共土蔵ニ入置候酒、多数不知昨夜地震ニ損申候、為御
届申上候由右之もの共申来候
未十一月廿三日同断
一兼房町月行事吉右衛門申上候、町内名主勘次郎方伊兵衛
歳四拾、同店又兵衛歳五拾壱、右三人のもの共昨夜地震
ニ家崩相果申候、為御届申上候由右吉右衛門五人組之五
郎右衛門同意申来ニ付為検使遠江守方ゟ
未十一月廿三日同断
一備前町清右衛門申上候、私店十右衛門寄子新右衛門歳弐
拾五、久右衛門娘きわ歳五、六兵衛娘歳拾、并七兵衛娘
かめ歳九、五郎兵衛出店衆只右衛門歳六十、小間使五
拾、其外私下女すき歳五拾六、右七人昨夜地震ニ家土蔵
崩相果申候、為御届申上候由右之清右衛門五人組与七兵
衛同意ニ申来候ニ付為検使遠江方より
未十一月廿四日同断
一本所相生町壱町目作右衛門昨夜六ッ時申上候、私店又兵
衛養子又市と申五才ニ罷成候もの昨夜之地震ニ家崩レ相
果申候、為後日申上候由右之作右衛門并又兵衛召連五人
組と権八同意ニ申来候
右又市実父本所緑町三町目清兵衛店八右衛門死骸受取度
と可申ニ付不及検使、死骸渡候様遠江守方ニて申付候
未十一月廿四日同断
一本所相生町壱町目久兵衛昨夜六時申上候、私店八右衛門
歳四拾、同人妻歳廿七、忰源六歳六、召使権助歳十六、
右四人昨夜地震ニ家崩相果申候、為御届申上候由右久兵
衛五人組権八同意ニ申来候、右之もの共死骸六右衛門店
西河岸町五郎兵衛引取度旨申候ニ付不及検使死骸相渡候
様遠江守方ニ而申付
未十一月廿四日同断
一三河町壱町目庄右衛門店仁兵衛昨夜六時申上候、私請ニ
立候甚兵衛、権兵衛と申ものヲ御医師高野昌庵すみ込奉
公ニ出し置候処、昨夜地震ニ長屋崩両人共相果候ニ付、
死骸引取申候為御届申上候由
右之仁兵衛家主五人組原左衛門同意ニ申来候
未十一月廿四日同断
一下槇町源兵衛店九兵衛・弥七・半兵衛・与惣右衛門・勘
兵衛申上候、私共家々前土蔵建置候処、当月廿二日之夜
地震ニ而相崩申候、為後日申上候由、右之源兵衛・九兵
衛・弥七半兵衛・与惣右衛門・勘兵衛同意申来候
同断
一北新堀町長次郎申上候、私召使弥兵衛と申歳四拾三罷成
候もの、当月廿二日欠落有之候為後日申上候由右は長次
郎五人組庄右衛門同意申来候
右召仕仁兵衛儀土蔵崩相果罷在候、今日土蔵之土片付
申候とて届出申候、此之段遠江守殿御番所江申上受入
霊岸島塩町利右衛門店三郎兵衛引受申度旨願申上候得
共、勝手次第仕候得ば、遠江守殿ゟ被仰付候由右之も
の共同月廿五日申付候
未十一月廿四日同断
一市ケ谷左内坂名主左内申上候、私共支配之内五町分之右
下水、去ル廿二日之夜地震にて相崩申候、為後日申上候
之由右之佐内月行事作右衛門同意申来候
未十一月廿四日同断
一本材木町五町目庄兵衛・源兵衛・与兵衛・同所六丁目八
郎兵衛・与兵衛・久兵衛・善兵衛申上候、私共家主前ニ
土蔵建置候処、当月廿二日之夜地震ニ而相崩申候、為後
日申上候由右之庄兵源兵衛・与兵衛・久兵衛・与兵衛・
善兵衛、五人組七右衛門・小三郎・豊兵衛同意申来候
未十一月廿四日同断
一本所松井町壱町目権右衛門申上候、私店伊兵衛と申歳三
十六、女房ゑんと申歳二拾三、忰弐才、下女まつと申歳
三十、以上四人共ニ当月廿二日之夜地震ニ而相果申候、
尤右之内伊兵衛未相果不申候、為後日申上候由右之権右
衛門五人組又左衛門同意申来候
未十一月廿四日同断
一南小田原町壱町目名主作右衛門申上候、私共町内上水樋
当月廿二日之夜地震ニ而相崩申候為後日申上候由右之作
右衛門月行事市兵衛同意申来候
未十一月廿五日同断
一赤坂新町壱町目加右衛門店八左衛門申上候、当月廿二日
之夜地震ニ而家崩、私忰八三郎と申拾歳罷成候もの相果
申候、為後日申上候由、右之八左衛門家主五人組左兵衛
同意申来候、右之死骸勝手次第取置候得と遠江守方にて
申付之
未十一月廿五日同断
一市ケ谷八幡町名主吉左衛門申上候、私支配之内大下水石
垣石橋去ル当月廿二日地震ニ崩申候為御届絵図持参申上
候由右之吉左衛門五人組金左衛門、次郎助同意ニ申来候
未十一月廿五日同断
一赤坂新町壱町目加右衛門八左衛門申上候、当月廿二日之
夜地震ニ而家崩、私忰八三郎与申拾歳罷成候もの相果申
候、為後日申上候由右之八左衛門家主五人組吉兵衛同意
申来候、右之死骸勝手次第取置候得と遠江守方にて申付
之
未十一月廿五日同断
一市ケ谷八幡町名主吉左衛門申上候、私支配之内大下水石
垣石橋去ル当月廿二日地震ニ崩申候、為御届絵図持参申
上候由
右之吉左衛門五人組金左衛門次郎助同意申来候
未十一月廿五日同断
一桜田久保町太兵衛申上候、私所持之表五間口之家当月廿
二日之地震にて崩申候、為後日申上候由、右之太兵衛五
人組半兵衛同意申来候
未十一月廿六日同断
一伊奈半左衛門方ゟ断、我等御代官所深川黒江町惣兵衛店
八兵衛女房さんと申廿四歳罷成候もの、当月廿二日夜地
震以後高汐ニ付茶船へ乗母并八兵衛女房三人共家之前河
岸ニ罷在候処、舟ヲのり上ケ候節さん義川江落入、何方
江歟流参り死骸相見江不申候、為後日申上候由半左衛門
内石田与五郎書付ヲ持右之三兵衛家主惣兵衛同道申来候
未十一月廿六日同断
一北新堀大川端町月行事次兵衛申上候、町内河岸ニ商売之
石積参候間、年頃廿一二歳罷成候非人躰之男、当月廿二
日夜剋罷在地震之節石ニ而右之臑相破罷在、何方江も不
参候ニ付、為御届申上候由、右之次兵衛五人組七郎右衛
門・又兵衛同意申来候為検使遠江守方ゟ
未十一月廿七日同断
一本舟町市左衛門申上候、私手代三右衛門并伝兵衛と申も
の、当月十九日京都大黒町吉右衛門方江為替金之出入に
付当御番所江申上御 判頂戴仕右三右衛門ニ為持遣し候
処帰ノ御節土塚
右三右衛門・伝兵衛共ニ泊り申候所去ル廿二日之地震ニ
うたれ相果申候故、死骸は於土塚火葬いたし持参いたし
候、尤御裏判御支条無之由私方受取申候得共為後日申上
候由、右之市左衛門五人組久右衛門同意申来候
変死四拾人
怪我人弐人