地震史料集テキストデータベース

[未校訂]（貞享二年十二月十日）安芸
十日一巳下刻大地震致夜中迄ニ余程之地震十一度致也、右地震
之刻被付置面々追々窺ヒ御機嫌来ル、光公より牧八兵衛
御頼隠州公へ為御見舞被遣之、八郎右衛門登城光公被為
替候事も無之段被成御聞、則八郎右衛門以御見舞之御口
上被仰進也、即刻八郎右衛門被遊御逢御直之御口上ニ仰
入也
同一地震之刻御庭へ成共御玄関成共御勝手次第御出可被成
由、三郎右衛門、八兵衛主計へ相達ス也
同一大地震已後之儀候へ共、夜中茂無心元之由ニ而定口ノ戸
茂シメス横目衆三人時替て相詰之由、家老中被申付之由
何時ニ而茂地震之刻何茂御所へ可罷出之由、皆川市郎右
衛門・主計権左衛門へ申聞之
同一此方御構之内破損も無之、御城内余程破損、石垣十六七
ケ所損申由、且又御家中侍屋敷町家所々致破損之由
十二日一今度之地震付而御城内破損仕候趣、坂上勘右衛門を以江
戸へ御注進之由物語也
十三日一当十日之地震、今治抔は少計之由注進有之由沙汰也
同（十六日）一芸州当十一日大地震之由、天守も二重崩落所々家中事之
外破損之由沙汰也
同一光公夜中ニもと風御機嫌悪事有之ため又は地震旁々付
而、藤兵衛・六左衛門・杢之助・惣右衛門四人抔寄候儀
候へ共、差支不能其儀依之御奉公之儀候間、四人にて昼
夜両人宛相勤候由
（同十二月十八日）一当十日巳下刻備後、備中、美作も大地震之由、京都、大
坂は少々地震之沙汰也
廿九日（貞享三年正月）一旧冬地震已後、横目中定口ニ泊番ニ致候処、㝡早地震も
静申付而、今晩ゟ泊番引申候由、渡部治大夫紀助江被致
物語候由