地震史料集テキストデータベース
[未校訂]（旧記 教城院天全）
五月廿三日
辰中刻大地震、御宮御堂石ノ御宝塔九輪、同慈眼大師御石
塔ノ九輪、同時ニユリヲトシ大ニ損ス、御宮御堂石垣石矢
来等崩損ス、御宮仁王門左右ノ大石垣モ此時崩ル、公儀御
殿本坊惣石垣其外山中坊舎石垣崩ル、在番御目付駒井次郎
左衛門毎日以続飛脚江戸ヱ註進、辰刻ヨリ子刻迄地震八十
九度
五月廿四日
巳刻大地震夥敷ユリ出、諸人十方ヲ失フ、御宮御堂御宝塔
御笠石大ニ損ス、諸大名献上ノ燈籠不残ユリタヲス、各使
者ヲ遣修覆ス、御宮御堂大樹御殿大師堂本房并寺院石垣所
々大ニユリ崩ス、辰刻ヨリ寅刻迄地震百九十六度、于時閼
伽擲山北ノ高山所々大ニ崩ル
五月廿五日
為 上使保田甚兵衛宗郷廿五日巳刻到着、御宮御堂并御殿
所々見分、同未刻梶左兵衛佐江戸ヨリ帰山、卯刻ヨリ寅刻
迄地震四十一度
五月廿六日
為 上使堀田対馬守正英、廿六日午下刻到着、御宮所々見
分、卯中刻ヨリ酉下刻迄地震十七度
閏五月朔日
卯刻ヨリ亥刻迄地震八度
（東照宮修営年録）
一、天和三癸亥年、大地震ニ付
御宮 御堂御修営、奥院御宝塔唐銅御建立、
惣御奉行
松平備前守正信
掛リ
保田美濃守宗郷
山下信濃守昌勝
御大工頭
鈴木長兵衛
荻原七郎兵衛
御披官
内山清左衛門
坂本三郎兵衛
大石忠左衛門
五月廿六日着地震上使
堀田対馬守
九月廿二日着御普請上使
阿部豊後守
十一月朔日着同断
堀田下総守
十一月着寺社奉行御宝塔御供養
板倉伊予守重形
御宮方御手伝
丹羽若狭守
内藤左京亮
津軽越中守
御霊屋并御本坊御手伝
真田伊豆守
戸沢能登守
日光（マヽ）奉行
梶左兵衛佐定良
御大工
鶴飛弾
（騨）鋳工
椎名伊予
御代官
遷宮御用市川孫右衛門
樋口又兵衛