地震史料集テキストデータベース

[未校訂]安政二卯年十月二日夜四ツ時頃地震後、出火見分繪圖、
淺草ゟ新吉原、三の輪町飛地、坂本邊、
下谷廣小路、小川町、小日向、幷靈巖島邊、
御月番北町御奉行
井戸對馬守樣御組同心
繪圖役
吉澤保兵衞
平松喜太夫
拾貳枚、合凡
長里二町四十間餘、
幅平均一町四十七間程
月番町年寄
喜多村彦右衞門手代
小松均十郞
樽屋藤左衞門手代
平館喜惣次
繪圖位立
認物
石島海藏
御曲輪内ゟ外櫻田邊、
鍛冶橋御門外ゟ柴井町邊迄、
御月番同斷
繪圖役
笹本郡次
松田孫七
四枚、合凡
長貳十一町十間餘、
幅平均二町二十四間餘、
月番喜多村手代
福田喜右衞門
樽　手代
加山半藏
地割役手代
田村善藏
本所深川邊、
御月番同斷
繪圖役
高木久左衞門
飯尾藤十郞
七枚、合凡
長三十一町十間餘、
幅平均一町四十三間餘、
月番喜多村手代外持場江出る
館市右衞門手代
大田粂助
樽　手代
關　平藏
地割手代
中野喜兵衞
繪圖貳拾三枚、
合高凡
長二里十九町餘、
幅平均二町程
外に本町四丁目、新材木町、兼房町、大川橋向辻番所、
合四ケ所、
右者小火に而、十間以下に付、除之、
十月四日ゟ三手分見分出役、同八目ゟ追々朱引繪圖仕立
方、同十三日迄に出來、十四日御進達之分、御控共、御番
所江上る、
一一大手御門前、西丸下、八代洲河岸、日比谷御門、幸橋
御門内、燒失之圖、
一二小川町邊燃立不知、一圓、水道橋内迄、燒失之圖、
一三小石川隆慶橋邊武家方燒失之圖、
一四上野町一丁目武家境ゟ燃立、下谷廣小路東之方一圓、
長谷町邊幷武家方同斷、
一五下谷茅町二丁目より燃立、最寄武家方燒失、幷池之端
七軒町ゟ燃立候場所、
一六下谷坂本町三丁目ゟ燃立、同町一丁目迄燒失之圖、
一七千住小塚原町ゟ燃立、下谷三の輪町飛地燒失圖、
一八淺草行安寺門前町屋ゟ燃立、同所龍光寺門前町屋ゟ燃
立、同所國宗寺より燃立候場所之圖、
一九淺草駒形町より燃立、同所諏訪町五ケ町燒失之圖、
一十新吉原町不殘、五十軒道片側、非人頭善七構内燒失、
淺草寺地中ゟ燃立、田町、山川町、花川戸町、猿若町
等燒失之圖、
一十一橋場金座下吹所ゟ燃立、今戸町庄八方ゟ同斷、最寄燒
之圖、
一十二南本所荒井町、北本所番場町邊、燒失之圖、
一十三中之鄕松平周防守下屋敷燒失圖、南本所元瓦町小梅瓦
町、燒失之圖、
一十四南本所石原町、法恩寺橋邊、龜戸町等、燒失之圖、
一十五本所綠町ゟ竪川通中之鄕五之橋町、燒失之圖、
一十六永代橋向南之方深川永代寺門前、仲町邊、一圓燒失之
圖、
一十七深川伊勢崎町、龜久町邊、燒失之圖、
一十八新大橋向御船藏前町、六間堀町、森下町邊、燒失之圖、
一十九濱町水野出羽守中屋敷長屋燒失之圖、
一二十靈巖島鹽町ゟ燃立、同所濱町、四日市町、北新堀大川
端町等、燒失之圖、
一廿一築地松平淡路守屋敷ゟ燃立、十軒町燒失之圖、
一廿二南大工町ゟ燃立、京橋北之方町屋、一同燒失之圖、
一廿三柴井町木戸際ゟ燃立、同町而已一同燒失之圖、
以上、
○番號ノ數字ハモト朱書ニ係レリ、原本、コノ次ニ右目錄ノ燒失
地圖ヲ載セタレド、印刷ノ急ヲ要セシヲ以テ割愛セリ、讀者原本
及ビ武江地震災記略ニ就テ看ルベシ、