地震史料集テキストデータベース

[未校訂]寅六月十四日夜八ツ時前、大地震に付御觸、
地震に付、此節桂殿、皇居中之儀にも有之候に付、兼而觸
置候通り、裏借家迄、火之元彌可入念旨、洛外へ可相觸も
の也。
寅六月十四日　十六日廻
嘉永七甲寅年六月十四（五カ）日、曉丑上刻、畿内、伊賀、伊勢、
國々大地震、夫々ゟ爲知之拔書、
南都地震
一當月十四日夜九ツ半時頃ゟゆり出し、十六日朝まで大小と
もゆり申候、夫に付町家たをれ、怪我人數不知、死人凡貳
百人許、土藏寺（幷カ）高塀不殘崩申候。町家之者、興福寺南大門
江寄集り、町々住居致候もの、壹軒も無之、興福寺四町四
方之高塀、不殘崩る、元興寺大塔大に損じ、石燈籠、石鳥
居、不殘たをれ申候、南東は三輪邊迄、西南は郡山、小泉
法隆寺邊迄、西は峠迄、東は伊賀上野邊迄、此邊は尚更嚴
敷と申事に御座候。
郡山
同刻、同斷御座候、町家怪我人數不知、死人凡八十許と申
事に御座候。
六月十七日寫、
勢州神戸地震荒調書寫
町方、一本家倒　三拾七軒、一半倒　六軒、一即死八人。
鄕方、一本家倒　百四拾四軒、一半倒　百三拾軒、一即死
三拾六人。
町方寺院、一本堂　八ケ寺、一即死　貳人。
鄕方寺院、一本堂　八ケ寺、一神社　三ケ所。
一御朱印貳十石龍光寺、當春、新規本堂建替、貳百疊敷之本
堂倒れ、粉味じん相成、住居向も倒れ申候、扨々大變之儀
に御座候。
六月廿日　水口黑田家にて承り寫、