地震史料集テキストデータベース

[未校訂]天保四年十月廿六日、申上国地震強く、半時余も震
気未止、打続相川海辺磯際ゟ二三町、又は一町半程、
海中俄に汐干いたすに付、津波可致哉と海辺町のも
の共一同恐怖、山寄又は地高之場所へ家財雑具等待
運ぶ処、高波数度打揚候得共、人家四壁裾通り汐瀞
所々及破損候迄に而、怪我人は勿論、潰家流失䓁は
無之、山之神教壽院拜礼所御園、其外陣屋御役宅、
御藏々、銀山勝場濱手三番町等、何れも少々づ〻破
損は有之候得共、格別之儀無之、圧方之分、
田畑用水路破損貳ヶ所
流失家七十九軒、
高下（チヵ）、　田野浦、　石名、
潰家十二軒
関、　五十浦、　岩谷口
破損家二百三十五軒
真更川　鵜島、　願、
流失納屋四十四軒、
同
潰納屋九十二軒、
鷲崎、　吉住、　羽黒、
破損納屋百十九軒、
加茂、　夷町、　湊町、
潰土藏一ヶ所、
腰細、　徳和、　赤泊、
流失雑穀藏一ヶ所、
小木町、　八幡町、　河（川）原田、
板橋流失二ヶ所、
麁伏、　石田、　市之浦○帝国行政区劃便覧二、田ノ浦アリ、市之浦ハナシ
〆二十四ヶ村
小船流失二十艘、
同破損三挺（艘ヵ）、
右之通に而、廿六日以後四五日之間、打続時々少
々も（宛ヵ）地震いたし候処、追々相止候旨、并右変亊に
付手当方䓁之儀、十一月中、水野出羽守殿へ書面
進達、
＊一湊町仁兵衛船四人乘、石黒村六三郎船四人乘、羽
黒村七兵衛船三人乘、越後新泻湊に㗴掛り居候節、
十月廿六日地震後高波に而、破船又は田地之被打揚
候よしに而、乘組之ものは無別條追々帰國、