地震史料集テキストデータベース

[未校訂]寛文二年の夏、上方筋大地震の刻、祗園の石の鳥居ゆり崩す、五條石橋三の橋も半落、大地は車など引樣に鳴來り、其跡地震す、右五月朔日巳の刻よりゆり始、所所地震にて破れし所々の覺、状見にて町屋三百二十軒餘頽申候、小家の破百八十軒餘、又土藏十五頽申候、死人四人、御幸（香）の宮は別條無之、鳥居はゆり碎き申候、次に石燈籠は不殘たおれ申候得共碎けず、向島の堤、所々三百餘間切レ申候、六地藏の船入、北の方ノ山八十間餘崩れ、東方は廿間餘、南は悉く崩申候、町の並家十三軒頽申候、大坂にて豊後橋崩掛り申候得共碎けず、向島の堤、所々三百餘間切レ申候、六地藏の船入、北の方ノ山八十間餘崩れ、東方は廿間餘、南は悉く崩甲候、町の並家十三軒頽申候、大阪にて豊後橋崩掛り申候故、橋少かたむき申候、京橋並肥後橋も、杭をゆり込候故、所々下り申候、近江大津には、小野庄左衛門居屋敷、並町家木今破損仕、但公儀御藏米の分、不殘頽申候、同國膳前所の城、殿守と矢倉、並本丸計別條なし、其外は皆破れ申候、永原の御殿、櫓二ヶ所ゆり落し、其外所々破損す、同國大溝、分部伊賀守家中、悉く頽申候、漸五軒殘候、町屋は三百軒程、都而領内民屋千廿余軒頽、男女廿人死す、馬五疋死す、同國志賀辛崎両郡の（所カ）の内、一萬四十千八百石の所、田畑八十五町余ゆり込申候、、、、、、、、、、、、、並家千五百七十軒頽申候、都而江〓の内にて百姓男女四百十二人死す、牛馬九十三疋斃る、堤二百余間と、二千間余切ル、志賀郡の内、倉川と云在所の内、抜村（榎カ）には家數五十軒余有之所にて、三百余人死す、同所川村といふ所にて、家數五十軒程有之、爰にて二百六十余人死す、惣人數三百余人の内、卅七人殘り、其外ハ死骸見へ不申、家共は皆々地下へ入申、、、、、、、、、、候、此所朽木谷より二里南也、此両所、、、よりわれ出、、、、、、谷へ崩れ落、、、、、、谷をも埋み、、、、、、却て高山となし申候、、、、、、、、、、其高さ二町計り、、、、、、、にして、、、、長サ八町余つ〓き申候、、、、、、、、、、、其下に死人共埋り申候、朽木谷、權之介陣屋也、此所にて諸民大勢死す、谷をば人にて埋候由、此地震にて權之介父兵部も横死しぬ、寛文二年には、度々大地震國々に雖有之、於京都豊國計一度も其儀なし、皆人不思議といへり、