(中略)
地震
堤体から過去に起こった大規模な地震の痕跡も発見されている。池内の沖積層には液状化と見られる噴砂の跡として水平の地層を上下に貫く亀裂が見つかっている。堤体の池の内側には約二十mにわたって土砂が迫り出している。噴砂の先端付近とつぶれた堤体の土砂の上に同時代の砂礫が堆積しており、地震によって堤体の崩壊が発生したものであると考えられる。この砂礫層に江戸時代の瓦が含まれていることから、この時期に該当する地震として京都伏見城天守閣を倒壊させた慶長元年(一五九六年)伏見地震(推定震度七)の可能性が強い。