地震史料集テキストデータベース

一、天正十三酉年二月、従二位大納言豊臣秀長者播州姫路＃移り、大和紀伊和泉三ケ国ヲ順（領）ス、百万石余、此時筒井定次居城筒井を廃し、翌年より郡山城を普請有、本丸二の丸堀石垣之外天守等至迄も出来セリ、天守材木者当国生駒鬼取より伐取ル、此山昔＃深山ニ而魔所と云伝ふ、材木伐取節（震動）（しんとう）して人民ノ多く恐レ皆／＼々逃帰リ其趣を申、秀長怒り給ひ、天地の底迄も我物なれ者何之障り可有或とて猛勢を以伐取可申とて、重而大勢ニ而伐取ニ、何之妨もなく伐取而、過半成孰せし時地震ニ而こと／＼ゆり崩セり、其後ハ不建礎斗今ニ有之、家臣桑山法印、五万石、羽田長門守、四万石或ハ、八千石ト云、、小川下野守、三万五、、千石、其外老中八人在之、城内外曲輪居住セリ下野守屋敷岩城の丑寅方堀端ニ有之、其外本田太郎左衛門者高取老中拾壱人、和州高九万石余成
--- （郡山藩旧記第一）
一、天正十三、乙、酉、二月五日、秀吉之御舎弟羽柴大納言様入部、御知行（従二位大納言秀長）百万石、大和紀伊、和泉、三ケ国也、御入部之翌年御本丸二ノ大堀石かけ普請あり、御天守御普請材木者当国生駒山鬼取にて御伐せ被成此山昔時ハ深山にて魔所山与申由、材木伐り節震動雷電〆多ク人民なやまし、皆／＼逃去、右之趣注進申得者、大納言様御意ニ而雷の上大地の底迄身柄ニ而得者何与隙□□哉、猛勢ニ而さりへ大方出来仕時、大池震ニ而ゆりくつれ其後終立不申に今礎斗と申、右三ケ所ニ御知行所ハ、御留守居夫々に被遺候、