地震史料集テキストデータベース

[未校訂]廿二日、○正保四年（紀元、二三〇七年）五月、小姓組島弥左衛門正利・大番丸毛兵左衛門利忠、このたび地震によて破損せし各所の修理奉行を命せらる。—大猷院殿御実紀
十六日○、正保四年（紀元二三〇七年）八日。、今度地震により破損せし石垣修築の事分ち命せられしは、本城茶室の後は酒井河内守忠清、紅葉山後は戸沢右京亮政盛、梅林坂下門の北は本多八郎兵衛勝行、西城的場後は堀左門直吉、西城の虎口并尾張邸の後は古田兵部少輔重恒、清水門側百間倉後は杉原帯刀重玄、久世大和守広之宅後は内藤帯刀忠興、、○金一郎政直歟。、本多播磨守信吉并矢部七左衛門定勝宅後は佐久間権之助勝豊、田安門の西中根大隅守正成宅後は遠山久大夫友貞、神田橋東は織田源十郎秀一、田安口・麹町舛形は松平、○蜂須賀。、阿波守忠英なり。—大猷院殿御実紀 正成、○（平岡弥右衛門）、正保四年、○紀元二三〇七年、五月二十二日、さきに地震のとき破壊せしところの修復奉行をつとむ。—寛政重修諸家譜
光定、○（加藤平内）、四年、○正保○紀元二三〇七年、六月六日、さきに地震により破壊せし石塁修復の奉行を勤め云々。
守勝、○（長谷川三左衛門）、正保四年、○紀元二三〇七年、六月六日、さきに地震して、御城の石垣破損するにより、修造の奉行をうけたまはる。—寛政重修諸家譜 （諸法度）
七月二日辛丑普請ニ関スル条例ノ制定有リ 五月十三日、正保四年（紀元二三〇七年）、卯ノ刻地震夥シ。御城破損、人馬モ死ス。—君臣言行録 同月、○正保四年（紀元二三〇七年）四月、十四日卯刻、江戸大地震。御城中少々破損仕候由申来ニ付、国元より使者為相登申候。 （諸大名手伝始末）
蜂須賀氏、○阿波国徳島城主。、
蜂須賀忠英助役ノ事、既ニ之ヲ記ス。尚渭水聞見録其他ニ、
六月、○正保四年（紀元二三〇七年）。、某日、承台命、築田安門・麹町門之石壁。又浚西郭之隍。仲冬、、○正保四年（紀元二三〇七年）。、畢功。家光公一日狂駕、臨視造営之所。忠英公、○蜂須賀。、拝迎。　家光公接見、且召国老賀島長門政玄・山田豊前宗春・長谷川越前貞恒、而自労之。　　　　　　　　　　　　　——渭水聞見録
忠英、○松平。本蜂須賀。、正保四丁亥、○紀元二三〇七年、年六月、日未詳。、江府田安御門・麹町御門御普請、又西丸御堀浚御手伝被仰付。大猷院、○徳川家光。、右御場所上覧之節忠英、○蜂須賀。、并家老賀島長門・山田豊前・長谷川越前、御目見被仰付、御懇之上意相蒙。
——寛政呈譜
酒井氏、○上野国厩橋城主。、
忠清、○酒井。、正保四年、○紀元二三〇七年、御数寄屋石垣の普請をたすけ、十二月八日、○正保四年（紀元二三〇七年）。、其事にあつかれる家臣等に、時服・羽織・白銀をたまふ。　　　　　——寛政重修諸家譜、○寛政呈譜同。、
酒井忠清、○河内守。、ノ助、役ガ、此外正保録ニ見ユルコト、上文ニ具ス。
戸沢氏、○出羽国新荘城主。、
戸沢正盛、○右京亮。、ノ助役ニ関シテハ、
正盛、○戸沢。、四年、○正保○紀元二三〇七年。、六月二日、仰を奉りて、西城櫓下及ひ的場曲輪等石塁の普請を勤む。　——寛政重修諸家譜
政盛、○戸沢。、正保四丁亥歳○紀元二三〇七年蒙大猷君、○徳川家光。、命、江城所々石垣築直御普請、被仰付之、本高六万八千二百石ニ而勤役之。　　　　　　　　　　　　　　　　　——寛政呈譜
本多氏
本多勝行、○八郎兵衛。、ノ助役ハ、
一、正保四亥年○紀元二三〇七年三月三日、幕府ノ命ニ因リ、本多八郎兵衛勝行、本多内記政勝（忠勝ヨリ四世）ノ長男ニシテ、和州ニ於テ四万石ヲ領ス。、江戸城内梅林坂門台并西丸台石垣普請手伝トシテ、之ヲ営ス。、本多家記録ニ拠ル。、
——子爵本多家回答
内藤氏、○陸奥国高槻邑主。、
内藤政直、○金一郎。、亦是役ヲ助ケシコト、上記ノ如シ。左ノ諸書共ニ北曲輪ト記スハ、即チ麹町門角石垣ヲ指ス者ナル可シ。
一、正保四年○紀元二三〇七年江戸城北曲輪普請御手伝命ゼラル。
——子爵内藤家回答
内藤丹波守政親、幼名金一郎。後右近。右近大夫政直。、
一、正保四丁亥年、紀元二三〇七年、御城北曲輪石垣御普請御手伝相勤申候。　　　　　　　　　　　　　　　——寛政呈譜
政親、○初政直。内藤。、四年、○正保。○紀元二三〇七年、六月二日、さきに地震に破壊せし本城北曲輪の石塁をたすけ築くへきむね、仰をかうふる。　　　　　　　　　　　　　——寛政重修諸家譜
遠山氏、○美濃国苗木城主。、
遠山友貞、○久大夫。、役ヲ助ケシコト、正保録ニ見ユ。子爵遠山家回答ニハ、
一、正保二年、○紀元二三〇五年、遠山信濃守友貞、江戸城石垣普請ヲ被命、成功ス。但、其場所等不詳。
ト有リ。正保二年、○紀元二三〇五年、遠山友貞ガ役ヲ助ケシコト、他ニ所見ナシ。恐ラクハ是時ノ事ヲ指ス者ナル可シ。
細川氏、○常陸国谷田部邑主。、
興隆、○細川豊前守。、正保四年、○紀元二三〇七年、十二月八日、さきにおほせをうけて、台徳院殿御霊屋の普請をたすけ勤めしにより、その事にあつかれる家臣に物をたまふ。
——寛政重修諸家譜
即チ知ル、細川興隆、○豊前守。、ノ手伝ハ、実ニ紅葉山台徳院、○徳川秀忠。、霊屋ナリシコトヲ。
若夫レ七月二日、○正保四年。○紀元二三〇七年）、ノ普請ニ関スル条目ハ、
条々
一、喧嘩口論、堅制禁之訖。若有違犯之族者、不論理非、双方可処暫罪。勿論令荷担者、其咎可重於本人。自然喧嘩口論火事在之時、役人之外、一切其所江不可馳集事。
一、於何事申分有之者、普請以後、可及沙汰、縦雖有道理、申出輩可為曲事之事。付、不可押買狼籍事。
一、不可論石場事。
一、猥不可伐採山林竹木、并不可荒作毛事。
一、人返之儀、所令停止之也。於有申越者、普請相済、可沙汰之。但、重科之輩者、達普請奉行、可受裁許、不可令致私之出入事。
右可相守此旨、其外諸事、得普請奉行之差図、可申付者也。
正保四年○紀元二三〇七）年七月二日。御黒印、○家光。、（下略）—（正保録）