地震史料集テキストデータベース

（元禄十六年十二月二十六日）
去ル廿六日之飛脚、今廿九日昼時分参着、書状被見申候、然は去ル廿三日之明方其元大地震、高浪ニ而波太・前原家財不残浪ニ取レ被申候由驚入存候、殊ニ前原ニてハ仁右衛門御手前子・家来已上十人相果被申候由、笑止千万存候、則申上候所無便ニ被　思召候、島ニてハ無何事、山へ退被申候由、飛脚之者委細申聞を此上之仕合存候、波太之儀無心元左右承度存候所、入念飛脚被差越候、勝浦へも申遣、加藤伴右衛門其元へ参致見分候様ニ被　仰付候間、定而今程改可申と存候
一、此度津浪ニ家財流候由御聞無便ニ思召、依之米十俵被下候間有難頂載可被申候、代官衆へ右之通此度申遣候間、此書状早々相届、右米受取可被申候、取込候間早々申入候、委細飛脚之者口上ニ可申候、恐々謹言
十一月廿九日
堀田文左衛門
直政（花押）
小野寺友右衛門
政智（花押）
堀十次右衛門
知政（花押）
平野吉兵衛殿 注、本史料は、『千葉県の歴史資料編近世２（安房）』にも採録されるが、ここでは千葉県立安房博物館平成十五年度企画展「地震と津波」展示解説図録掲載の原本写真によって校訂した。