五友述懐伝 巻の十�V
(中略)
其後十一月三日江戸表より御飛脚、尚又大地震の由。所々への書状。さりながら先達てよりは格別弱き方なれ共、蔵々の壁は大略に落たる由
(後略)
○注、本史料「多志南美草」は木綿商売を営んでいた八戸の商人・大岡長兵衛が執筆した全五十巻四十二冊の家記で、文政二年(一八一九)頃から明治五年(一八七二)までの記録である。嘉永元年十月以降の記事は、記載形式や記事内容から執筆当時の日記そのものをそのまま清書したものと考えられている(三浦忠司「北奥における商人の情報活動」『日本歴史』第五八五号、一九九七年)。