[未校訂]同廿七日晴日和終日成 此夜四ツ時大地震入ル 家内
中皆々驚き外へ出ル 宿内の者共も皆々外へ出ル 同廿
八日明方曇明て晴天(中略) 又夜前の地震に所々の堂塔
墓所石佛抔大半返りし内にハくたけた石佛多し 猶又酒
造屋抔わゆりこほし大損毛有と聞へける其外土蔵所々
ひゝ入し手入等の普請出来て大きに迷惑(カ)なり 扨又昔の
地震咄を聞に先年元禄十六未の年十二月廿二日の大地震
以来の大ゆりなり 又其次天明二寅年七月十五日夜五ツ
時大地震 是にも劣らん地震なりと評判に及へり 終日
天気夕方東に雲おこる