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項目 内容
ID J2400086
西暦(綱文)
(ユリウス暦)
1394/99/99
西暦(綱文)
(先発グレゴリオ暦)
1394/99/99
和暦 応永年間
綱文 応永年間(一三九四~一四二八)
書名 〔白根市史 巻一 近世史料〕○新潟県S60・9・25
本文
[未校訂](小吉郷郷土史)M8・10・10成立
 旧南津保の旧趾
諏訪堂は一説神明宮と称すれども 現在其附近耕地の字
名を諏訪と呼ぶに徴して 諏訪神社なること明かなり
往昔南津保は 古津保 金津保等と共に 地頭の居りし
処と云ふ 新田氏の支族里見義成 是の地頭に補せられ
是を領したりしも 応永の天災の為め全滅の悲運に遭ひ
諏訪堂附近のみ其災害を免かれたりと云ふ 今の北田中
の住民其れなり 其附近に寺院ありたり 今其趾に多数
の藁灰を存せり 火葬場の趾ならん 口絵の仏像は其処
より発掘せる者なり 瀧博士の説には 足利氏以前の者
ならんかと云ふ 口絵寺院御真影様趾は 現夏保新田の
西方田園中にあり 往昔此処に寺院ありしと云ふ 亦一
説に上杉家の臣根岸氏の開田御普請所の旧趾なりとも云
ひり 如斯なれば本郷の開発は遠く 弥彦大神の開発に
基き 寛治に於て廃滅に帰し爾後再び開発せられて 蓑
口千軒 南津保千軒と称し 地頭領主居館を構へ是を領
したりしたが 応永の天災の為め再び其繁栄を失ひ 三
度開発せられて今日に至れり云々
 鷲巻村
本村は小吉嶋の場末にあり 北方信濃大河を控へ 西方
中ノ口川ありて根岸村に接す 東は大郷村に相対し 東
北方は遠く曽野木に面す 現住戸数四百六十五戸 現住
人口(男一千六百五十三女一千七百十五)人にして 村内五箇大字に区分
す 曰 引越 西笠巻 西笠巻新田 東笠巻新田 鷲ノ
木新田にして開発年代詳ならざれども 往昔弥彦の荘に
属したる沼沢地にして 承久の頃より漸次開発せられた
りと云ふ 北部に鹿嶋神社あり 領主里見氏の守護神に
して常に甲の鉢中に安置し 数々戦功を樹てたる霊神に
して開発に際し鎮護神となし 神威に依り治水の策を講
ぜんとして祀られたるものにして 尓来杉樹枝を交へて
鹿嶋様の森と称したりしが 応永年間の天災に依り原の
蒲原に変ぜしも 此神社附近は土地陥没の難を免かれ
亦地震ひ(ママ)し事等なしと云ふ 後此神樹に鷲来りて巣を造
り 子を養ひ居りしに因り 人々神の教ひし給ふならん
とて鷲ノ木と呼び 移住者益々多く 天正年中根岸氏の
藤田能登守の命に依り神霊を祭祀せられしも、是等に因
由するならん
 根岸村
本村は中蒲原郡の西部に位し 蒲原平野の中心にあり
西は中ノ口川を隔てゝ西蒲原郡味方村大字吉江 大倉
三王 同黒埼村大字板井金巻 大野と相対し 東は大通
川を夾みて鷲巻村の耕地と相接し 南は白根町大字保坂
と堺し 東北は鷲巻村大字鷲ノ木の耕地と隣接し白根郷
西部の最北部に位す 現住戸数四百二十戸 現住人口
(男一千四百八十七女一千五百十)人 戸籍三千三百〇九人 村の長さ二
里十余町 面積九百余町歩ありて 左の十一ケ大字より
成り 大字下山崎を以て中央とす 上高井 中高井 夏
保新田 北田中 高井興野 山崎興野 下山崎 上塩俵
 松 橋 中塩俵 下塩俵
地勢は東西に狭く 南北に長く 中部最も広く 北部に
至るに従ひて狭くして 広き部分は遠く大通川を超えて
鷲巻郷に入り 引起(越) 浦迄至る 往昔弥彦の庄に属した
る卑低湿潤の地と称すれども 前節に述べたる如く 本
村耕地の中部より南北に長く 遠く白根町蓑口に連り南
津保ありて金津保新津保などゝ共に地頭の居りし処なり
しも 応永年間の天災の爲め土地陥没して 唯諏訪神社
附近を余すのみにて 他は荒廃に帰せり 後百余年を経
て上杉氏開発の志ありて 吉江 長嶋 須田 庄瀬諸城
館を築きて開発を督励せられ 更に宇佐美 北条 藤田
等 諸将をして其領民を移住せしむ
大字夏保新田は中高井の東方にありて 四方田園に囲ま
れ 上高井新田と隣接したる部落なり 戸数九戸 人口
七十三人(男三十四女三十九)あり第一期夏保の旧地を開発した
るにより其名称あり 前に夏保村落の繁栄は第一期康平
年間に起り 現今の信濃川 中ノ口川の間にありて西よ
り東に連なり 亦北に突出し 南白根村ありて 其間に
田園ありて恰も千の字を画きたる如くなるが故に 千軒
の称ありしとも云ふ 応永年間に至り 信濃川流域を変
へて其欲する方向に流れて其部落を欠壊し 加ふるに大
地震ありて土地面低下し 人畜の死傷算なく 遂に其の
面影を見る能はざるに至れり
出典 新収日本地震史料 続補遺
ページ 14
備考 本文欄に[未校訂]が付されているものは、史料集を高精度OCRで等でテキスト化した結果であり、研究者による校訂を経ていないテキストです。信頼性の低い史料や記述が含まれている場合があります。
都道府県 新潟
市区町村 白根【参考】歴史的行政区域データセットβ版でみる

版面画像(東京大学地震研究所図書室所蔵)

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