地震史料集テキストデータベース

[未校訂]正月元日
旧臘五日夜頓而八ツ時頃とおほしきに唯の川つらと響き、壁
はやねの上か又は隣家あいなと之雪なたれの四五間程も落候
様成ひゞきニ而有之、翌朝ニ至風呂屋抔寄り合はなしにも地
震ニ可有と申事にて候処、同八日夜八ツ時頃大地震にて、一
統恐怖致大騒き、夜明見候得は家毎に所々壁落、又は鴨居抔
落候家も有、大体破損なき家も無之程ニ候得共、先潰れ家も
なく火事もなく怪我人等もなく相凌、一統安心致候、土蔵は
何方ニ而も割壁ニ相成、又は壁落ニ相成、浪岡辺にても同村
飯藤と申者之蔵割れ崩に相成候よし、頃日の取沙汰にも五拾
年已来無覚大地震之由申唱候、追子野木村土場巻寄流木大半
崩申候、前書五日夜之響有之、其夜南部大地震にて有之由取
沙汰御座候、尤家蔵破損多有之よし