地震史料集テキストデータベース
[未校訂]一〇一一
覚
今度地震ニ付、色々虚説申あるき候者有之由、不届ニ候
間、向後左様之者於有之ハ早速捕之、月番之番所江召連可
来候、以上
十一月廿八日
一〇一二
覚
一去ル廿二日之夜、地震ニつふれ候家土蔵有之候ハゝ書
付、名主月行事致印判、明日明後日両日之内、奈良屋所
江持参可有候、破損仕候分ハ書上候ニ不及候、以上、
十一月廿九日 町年寄三人
一〇一三
今度地震火事ニ付、諸職人も手支可申候間、町人共普請差
急申間敷候、見苦敷分ハ不苦候、御成之御道筋町方も同前
ニ候、右之通被仰出候間、類焼之町々此旨相守可被申候、
以上
十二月四日 町年寄三人
一〇一四
覚
一今度火事地震ニ付、町中可致困窮候間、当未之年ハ犬扶
持御免之旨御老中被仰渡候間、依之、先達而差出候出銀
も可相返候間、右之趣可触知候
未十二月
右之通被仰出候間、此旨可被相心得候、尤御金請取相返
日限之儀ハ重而相触可申候、以上
十二月七日
末ツ同月十八日
町年寄三人
一御犬上ケ金半年分上置候所、町々江今日御返被成
候
一〇一五 〔一五一〇〕
一今度地震火事ニ付而作事申付候儀、前々も相達候通、分
限ニ応弥軽可仕候、縦御成道筋ニ而も急キ不申、緩々普
請可申付事
一衣服其外向後結構無之、音信贈答料理等ニ至迄、軽可仕
候、惣而奢かましき儀可為無用事
一最前申渡候通、火之本弥念入可申付候、若出火候ハゝ（精）情
出早速消可申候、尤近所ゟも早々欠付消、大火ニ不罷成
候様ニ可仕事
一火事場江馬上ニ而見分遣候儀、堅可為無用事
一火事之節、昼夜にかきらす、所々御門并橋々往来不滞様
ニ可仕候、且又所々橋際江諸道具差置間敷候、此段兼而
急（ウ）向々江可申付置事
右之通被仰出候間、堅可相守候、以上
十二月日
（ママ）右御触之通、町中家持ハ不及申、借屋店かり召仕等迄、
此旨急度相守可申候、少も違背有間敷候、已上
十二月十日 町年寄三人
一〇二一
未十二月
一当十一月廿二日夜八時分、大地震ゆり出し、地弐三寸よ
り、所ニより五六尺程われ、砂もみ上ケ候所も有之、水
を吹出し候所も有之、石垣崩（キ）くへ、家蔵潰れ、穴蔵壱弐尺
もゆり上ケ、人死夥敷、同夜八時過つなみ有之、内川一
はいさし引四度有之、右同月廿九日大火事有之、両国橋
三分一焼落、人死多く有之、地震ハ廿二日夜より毎日昼
夜何度共数不知ゆり、神田浅草牛込山之手ハあまりつよ
くゆり不申候由、道中小田原迄甚ゆり、同廿四日夜四ツ
時より雨降、夜中段々明ケ方ニおよひ候程、ゆりすくな
く成候由、書留有之
末ツ元禄十七申年四月
右地震去未十一月廿二日夜以来、数度ゆり、当申二月
廿七日之明ケ方余程大くゆり、其後四月迄折〻少し宛
ゆり候由、書留有之