地震史料集テキストデータベース

[未校訂]一去朔日上方近年之大地震にて方方夥敷破損候へども
御所方二条大坂御城中無別条之由申来恐悦之至候手
前屋敷事之外破損出来苦苦敷事候責而死人無之此上
之仕合ニ而候町方ハ死人も多之由申越候委ハ永井三
郎兵衛高部金右衛門同甚介宮崎七衛門方より其元へ
も可申遣候破損繕之儀林三郎左衛門深井甚右衛門ニ
申付候此段ハ両人方より可申遣候不寄存儀共出来気
遣成事候
一右之時日も不違爰元も致地震候へ共いかにもゆるや
かに長候て座敷を立候程之儀にても無之候故尤少之
破損も無之令満足候其元之儀いかが無心許候于今注
進不申来候間定而無別条と存候当年ハ色色之儀出来
無心許候此以後更儀も無之様ニと存事候○下略
五月十日○寛文二年忠（印）
野中伝右衛門殿
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一従対馬守方飛脚差越候付去ル十一月之書状廿一日到
来令披見候被申越候通今月朔日上方五畿内大地震に
て方方破損之旨何も付置候者共より具申越候至于今
日日少宛震申由にて千万無心許候最前以早飛脚申遣
候通此方所所之屋敷大破無是非事候
一先書ニ申遣候通爰元少之地震にて何方も無別条加様
之大慶成事は無之候
一地震ニ方方破損之書付写被越遂一観候京伏見大坂之
者共は今以小屋掛之体にて罷在令気遣之由苦苦敷事
候此以後無別条候様ニと存事候委細可申遣候へ共其
方も追付江戸可被罷立と存無其儀候
五月廿五日○寛文二年忠（印）
野中伝右衛門殿