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項目 内容
ID J0300846
西暦(綱文)
(グレゴリオ暦)
1828/05/26
和暦 文政十一年四月十三日
綱文 文政十一年四月十三日(西暦一八二八、五、二六、)長崎地強ク震ヒ、出島ノ周壁潰ル、天草マタ地震フコト強ク、近傍ニ海底噴火起リ、高島炭坑陷沒セリト云フ、
書名 *〔シーボルト江戸参府紀行〕
本文
[未校訂]最も烈しかりしは千八百二十八年五月二十六日○文政十一年四月
十五日にありし地震あり、第一震は凡そ一分間持續し、
家屋も倒壊せんんかと恐れし程に烈しく、出島の周壁
はかなり手弱きものなりしとは云へ、その數ヶ所は
潰裂し、驚き覚めし鳥雀は暗中に逃け迷ひ、その鳴
き叫ぶ聲は、天地の死せるが如く闇然たりしため、
一際気味あしく、余はかる事か空氣の乾燥天空の快
晴とともに日本の地震にまつはることに心付きたり、
此時出島と市との間にある沼の如き溝梁と海岸とは
非常に不快なる臭気を發せしが、そは地下瓦斯の發
生にもあらずして、震動のため多量に發散したる泥
沼蒸気のためなりき、左程ならぬ地震は夜を通じて
これあり、この地震は独逸里にて八里程東南に位す
る天草にて最も激烈なりしといひ、此島の近傍海中
に山の噴火に似たる現象を見たりと云ふ、同じ頃長
崎の西南凡そ四十独逸里なる高島にては石炭坑陷沒
し、凡そ四獨里なる野母崎にては石の佛像は邱上よ
り海中に轉び落ち、温泉岳も動揺し、夏中輕き震動
引續きて一二度ならず反復して土地の隆起を生じ、
なほ肥前の國の阿蘇山薩摩の標高なる御岳とに激し
き爆裂あり、日本○本州にても江戸市中、其近傍に於
て死火山なる富士山、また噴火中なる淺間山の近傍
にて人々強き震動を感じたり、されば吾人は八經度
七緯度の廣袤に於て火山活動の同時にありたるを明
かにしたるが上に記せる如き地中火脈の順列に従ひ
て、盡く其災禍を知ることを得ば、なほ彌々之を追
究し得るならん、
出典 増訂大日本地震史料 第3巻
ページ 254
備考 本文欄に[未校訂]が付されているものは、史料集を高精度OCRで等でテキスト化した結果であり、研究者による校訂を経ていないテキストです。信頼性の低い史料や記述が含まれている場合があります。
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版面画像(東京大学地震研究所図書室所蔵)

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