地震史料集テキストデータベース

[未校訂]○同年○宝永四年十月四日晝八ツ時分、大池震仕、小時之間振、名古屋御城中所々大分破損、二之丸御堀端の道筋之地所々割候、諸土屋敷のねりべいの分は十間廿間或五間七間程づゝ皆々頽候、町家は別儀無之、熱田御浜端の燈明ゆり崩し、浦々は所々地割泥淤水わき出、家々も破損仕、同日晩方に津浪打寄候へ共、陸えは上り不申候、依之熱田築出旅篭町浦々不残騷動いたし、病人老人杯手を引、小兒をだきかゝへ、家財を持はこび、皆々家を明け立退、大神宮の御社内に集居申事一日一夜、此方に海中の塩指引混乱して、夥敷高浪にて、尾張中在々所々夥敷地震にて、民家悉く破損、田畑共地割淤泥水夥敷わき出田畑一面に成候、前代未聞之事、同時に諸国で悉大地震のよし、其己後も少々折々地震年を越て不止、毎度振候前大に鳴る殊に海辺の新田は家家内の地田畑共に、