二年、疫疾大行、八月朔、大風雷雨、大槻荘・青海荘・下田郷・上田郷雨氷大如胡桃、損雑雑穀、是月、溝口出雲守直侯卒年二十五、子伯耆守直諒嗣、後称信濃守
十一月十五日、地大震、昼夜不止者四日、
○本史料『越後野志』は、越後国蒲原郡水原の書店主小田島允武が著した地誌である。自序は文化十二年(一八一五)とあるものの、小田島が死去する文政九年(一八二六)まで改修が行われた。その後、この翠塢と栗卿が増補し、水原温故堂の教授頼復次郎が嘉永七年(一八五四)に校訂している(『新潟県史通史編4 近世二』)。本史料は嘉永七年校訂本である。『越後野志』の巻二から五までは、年ごとに越後で起こった災害などの事象がまとめられており、「考霊天皇」の時代から文政八年(一八二五)までの出来事が記されている。本史料は享和二年の項目すべてを掲げた。